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大谷翔平に山本由伸を奪われた?「ヤンキースは自信を持っていた」“3億ドル”でもドジャースに敵わなかった争奪戦…佐々木朗希らへの影響も
posted2023/12/26 06:05
text by
杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph by
Getty Images
「総額3億ドル以上の契約で山本はドジャースに行くようだ」
オリックスからポスティングシステムを通じてメジャー入りを目指した山本由伸(25歳)に関し、米メディアからそんな第一報が出たのは現地12月21日夜のことだった。
すでに決断間近と目されていただけに、このタイミングでの報道が驚きだったわけではない。少々意外だったのは、この特ダネを最初に速報したのが『The Athletic』のケン・ローゼンタール、『ESPN.com』のジェフ・パッサンといったいわゆる“ナショナルライター”ではなく、ヤンキース自前のテレビ局YESネットワークのスタジオアナリスト、ジャック・カリーだったことだ。ヤンキースに強い情報網を持つ人物から出たことを見れば、リークの出どころは容易に想像がつく。
予想を遥かに超える「12年3億2500万ドル」
今オフの全体的な先発投手の需要の高さもあって、最終的な山本とドジャースとの契約は12年3億2500万ドル(約462億円)という当初の予想を遥かに超えるものになった。直前に大谷翔平がドジャースと結んだ10年7億ドルと比べれば見劣りするものの、まだメジャーで1球も投げていない選手が投手史上最高の契約を締結したことになる。
ドジャースの提示額だけが飛び抜けていたわけではない。メッツもまったく同額を用意したという。ドジャース同様、争奪戦の本命と目されたヤンキースは10年3億ドルと総額こそやや少ないが、1年平均の年俸では3000万ドルとドジャース(2708万ドル)を上回る額をオファーしたのだとか。
上記のカリー記者は「ヤンキースは自信を持っていた」とも記していた。これほどの金額を提示すれば獲得できるという手応えを持っていたのだろう。ゲリット・コールと並び立つエースが欲しかった名門球団は、実際に並々ならぬ意気込みで今回の争奪戦に臨んでいた。それにもかかわらず、結局、山本獲得は叶わなかった。