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監督・阿部慎之助は成功するか? 「巨人で僕のリードは評価されてません」かつて“本音”を聞いた名スコアラーが語る「マスコミの活用も大事」
text by
岡野誠Makoto Okano
photograph byJIJI PRESS
posted2023/12/15 17:02
11月23日、巨人のファン感謝イベントでユニフォーム姿を披露した阿部慎之助監督
〈阿部さんは打たれたからといって、結果を責める人ではありません。怒られていたのは、決まってチームのためにプレーできていない人でした〉
〈例の「ポカリ事件」にしても、大事な試合でサインを見落とした澤村さんが悪いと僕は思います。(中略)阿部さんが「シャキッとしろよ」とカツを入れたことで、それまでフワフワしていた澤村さんは平常心を取り戻しました〉(23年10月14日配信/文春オンライン)
直面している「難しい決断」とは
“対話重視”の姿勢を打ち出す阿部監督は就任早々、主砲のポジション固定に着手した。今季、「4番・サード」で開幕した岡本和真は、5月に中田翔の故障や門脇誠の台頭でファーストへ。中田復帰後はレフトを守る試合もあり、終盤には坂本勇人のコンバートで三塁を奪われた。3つのポジションを担いながらも岡本は本塁打王を獲得したが、票が割れてベストナインには選出されず、ゴールデングラブ賞の連続受賞も2年で途切れてしまった。
「4番のポジションを何度も代えたら、アカンわ。そりゃあ監督に言われたら、嫌な顔しないで行くよ。だけど、本心では納得していなかったんじゃないの。阿部監督は岡本の意見を聞いた上でファーストに決めたんでしょ。良かったと思うよ」
遅かれ早かれ、阿部監督はさらに難しい決断を迫られる。チームには39歳の長野久義、35歳の坂本、35歳の丸佳浩(来年4月末時点)と実績のあるベテランが揃っている。今季のスタメン出場数を見ると、長野は33試合と主に控えだったが、坂本は106試合、丸は97試合とレギュラークラスだった。彼らの力が衰えたり、戦線離脱の間に若手が出てきたりした場合、現役時代に苦楽を共にした仲間をどうするのか。