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「期待してたけど駄目じゃん片野坂」「昇格する気ないのかよ!」J3での怒号…「完全に俺のミスだ」謝罪した監督が敗戦に後悔し、気づいたこと 

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ひぐらしひなつ

ひぐらしひなつHinatsu Higurashi

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photograph byMasashi Hara/Getty Images

posted2023/12/04 11:02

「期待してたけど駄目じゃん片野坂」「昇格する気ないのかよ!」J3での怒号…「完全に俺のミスだ」謝罪した監督が敗戦に後悔し、気づいたこと<Number Web> photograph by Masashi Hara/Getty Images

大分トリニータを率いた2017年の片野坂監督

 それが功を奏して、その試合から3連勝。ハイペースで勝点を積み、首位の栃木を追走した。すると今度は反比例するように栃木が失速。勝点差は徐々に縮まり、トリニータにも希望の光が見えはじめる。

忘れられない“痛恨の敗戦”とは

 そんな矢先の第25節。第1節にホームで勝利したパルセイロとのアウェイ戦を、片野坂は決して忘れない。パルセイロもシーズンを通して上位に食い込み続け、昇格候補のひとつに挙げられながら、栃木とトリニータの進撃にやや遅れを取っていた状況での直接対決だった。

 ここで勝てばJ2昇格の可能性をぐっと引き寄せることが出来る。必勝を期して挑んだが、試合は序盤から相手ペースで、もどかしい展開となった。後半開始早々に豪快なミドルシュートを叩き込まれると、上り調子だったチームは5試合ぶりの失点に動揺の色を見せる。最初の選手交代でやや勢いを盛り返し、次の交代でシステム変更して追撃するが、ゴールに迫るまでの気配は生まれない。

 83分、片野坂は決死のパワープレーに出た。

 ボランチの一人をベンチに下げて長身フォワードを投入すると、ブラジル人センターバックも前線に上げて、ひたすらゴール前へとボールを放り込む。だが、焦る選手たちは飛んできたボールしか目に入らずに味方同士でぶつかり合い、そのこぼれ球を拾いにも行けない。リードしてなお攻め続けるパルセイロに対応するために守備にも戻らねばならず、何も出来ないまま時間は刻々と過ぎていく。

 ラストプレーとなるコーナーキックではゴールキーパーまで加えて最後の一発に懸けたが、すべては空振りのままに終わった。

「昇格する気ないのかよ!」「完全に俺の采配ミスだ」

 迫りつつあった栃木との勝点差はまたも開き、昇格争いから脱落しかけていたパルセイロや鹿児島ユナイテッドFCにもチャンスを与えることになった、手痛い黒星。試合後のゴール裏サポーターたちからは「昇格する気ないのかよ!」「どういう状況かわかってんのか!」と、厳しい怒号が飛んだ。

 片野坂は自らの采配を悔み、ロッカールームで選手たちに謝罪した。

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