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「東京六大学で岡田彰布を超えた東大生がいた」東大野球部→三菱商事→上場企業社長のスゴい人生「あ、入る会社を間違えたな…」就職人気企業で感じた挫折
text by
沼澤典史Norifumi Numazawa
photograph bySankei Shimbun
posted2023/11/26 17:25
写真は今年の東大野球部。エースの松岡由機投手(4年)
「1件あたりの契約金額も小さくて、楽そうに見える部署はありましたよ。ですが、それはビジネスモデルの違いなんです。小さなものを扱ってはいても、世界レベルでマーケティングをして売っていて、そこに面白さがあり、苦労もあり、会社に貢献もしてるわけです。それに、そもそも私が入った頃の三菱商事は縦割りで、新入社員のときに入った部を、50歳を過ぎる頃までずっとやるんですよ。私としては、当時は花形の部署でもあったし、当分の間はプラント輸出の仕事をやっていくんだろうなという覚悟で、ずっとやってきました」
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そんな重厚長大な榊田のキャリアと対照的な道を歩んだ後輩が、東大野球部OBにいる。三菱商事の上場子会社ローソンの100%子会社であるローソンストア100の代表取締役社長を、2019年から務めている佐藤隆史(1999年卒業・浦和高・49歳)だ。
東大を卒業して三菱商事に入った佐藤は、ITなどに関連した情報産業グループへ配属された。三菱商事の伝統的なグループとは異なり、比較的新しいグループでチャレンジがしやすい環境だと思っていたという。
「就職氷河期で同期の数も少なかったこともあり、競争意識のようなものは全くありませんでした。そもそも三菱商事という会社はサラリーマンとしての出世競争を意識しているような社員は、多くはないのではないでしょうか。とくに私がいた部門は、比較的新しい産業でひとつひとつの事業単位が小さく、先輩社員は自身の分野でそれぞれがリーダーとして活躍されており、私もそうした先輩に憧れていました」
まだ40代と若く、今後のさらなる飛躍が期待されている佐藤の原点を、次稿で深掘りしていこう。
<続く>