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三笘薫が途中離脱、鎌田大地も腰を痛め…“負傷者続出”サッカー日本代表の論点「アジア2次予選でベストメンバーを組む必要はあるのか?」 

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戸塚啓

戸塚啓Kei Totsuka

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photograph byKiichi Matsumoto

posted2023/11/19 11:02

三笘薫が途中離脱、鎌田大地も腰を痛め…“負傷者続出”サッカー日本代表の論点「アジア2次予選でベストメンバーを組む必要はあるのか?」<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

11月16日、W杯アジア2次予選ミャンマー戦のスターティングメンバー。森保一監督はコンディションを踏まえて「ベストの布陣を組んだ」と説明した

 この日のスタメンと選手起用について、森保監督は「ベストの布陣を組んだ。コンディションを踏まえ、トレーニングを見た結果」と話した。前半を3対0で折り返した試合展開と彼我の力関係を踏まえれば、伊東や久保を途中起用する必然性はない。佐野や細谷に経験を積ませる機会としたのは、妥当な判断だったと言える。

アジア2次予選でベストメンバーを組む必要はあるのか

 チームの編成については、格下との対戦でそもそもベストメンバーを組む必要があるのか、との見方がある。

 ミャンマー、シリア、北朝鮮との2次予選を通過するだけなら、実験的なメンバー編成でも勝ち抜けるだろう。海外組をふたつのグループに分け、今回はAグループ、次回はBグループと選手を使い分けてもいい。

 たとえばCBなら、3月のウルグアイ戦からミャンマー戦までの9試合で板倉、冨安、谷口彰悟、町田浩樹、瀬古歩夢、渡辺、それに左SBとの併用で伊藤が起用されてきた。3月以降に招集歴のある藤井陽也、角田涼太朗らも含めれば、4人ずつ2つのグループを作ることができる。

 いくつかのポジションでは、どちらのグループにも招集される選手が出てきてしまうかもしれない。それでも2つのグループ分けをすることで、多くの選手の負担軽減につながるだろう。

 ベストメンバーを組んだほうがいい、と考えられる理由もある。

 W杯アジア2次予選がスタートした11月以降は、日本代表の活動がアジア予選でほぼ塗り潰されていく。そのなかでグループ分けをしてしまうと、試合で浮き彫りになった課題をチーム全体で共有できなくなってしまう。

 日本代表の活動は、試合だけで成り立っているわけではない。限られたトレーニングの時間で、選手たちは連係を呼び覚まし、確認し、さらに磨いていく。練習をして、試合をして、次回の集合では前回のレビューから始まり、課題解決の練習をしてまた試合に臨む──そういったサイクルの積み重ねで、チームが成長していく。ベストメンバーを揃えることは、一人ひとりの成長の歩幅を揃え、それをさらに幅広にしていくことにつながる。

韓国、イランは“主力の海外組”をスタメン起用

 アジアのライバルたちも、主力を招集している。

 16日にホームでシンガポールと対戦した韓国代表は、キム・ミンジェ(バイエルン)、ソン・フンミン(トッテナム)、イ・ガンイン(パリSG)、ファン・ヒチャン(ウルヴァーハンプトン)らがスタメンに名を連ねている。格下から5対0の勝利を奪った。

【次ページ】 「試合と練習」だけではない代表活動の意義

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森保一
大迫敬介
谷口彰悟
町田浩樹
中山雄太
毎熊晟矢
鎌田大地
堂安律
南野拓実
相馬勇紀
田中碧
上田綺世
前川黛也
鈴木彩艶
菅原由勢
渡辺剛
伊藤洋輝
守田英正
遠藤航
佐野海舟
伊東純也
久保建英
細谷真大
浅野拓磨
冨安健洋
三笘薫
板倉滉
橋岡大樹
旗手怜央
中村敬斗
川辺駿
伊藤敦樹
前田大然
藤井陽也
角田涼太朗

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