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三笘薫が途中離脱、鎌田大地も腰を痛め…“負傷者続出”サッカー日本代表の論点「アジア2次予選でベストメンバーを組む必要はあるのか?」
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byKiichi Matsumoto
posted2023/11/19 11:02
11月16日、W杯アジア2次予選ミャンマー戦のスターティングメンバー。森保一監督はコンディションを踏まえて「ベストの布陣を組んだ」と説明した
イランも主力が名を連ねている。FIFAランキング150位の香港とのホームゲームで2次予選をスタートしたが、アリレザ・ジャハンバフシュ(フェイエノールト)、メフディ・タレミ(ポルト)、サルダル・アズムン(ローマ)ら、国外のクラブに所属する7選手が先発している。21日にグループ内のライバル・ウズベキスタンとの対戦を控えているが、アミール・ガレノイー監督は香港相手にもメンバーを落とさなかった。
「試合と練習」だけではない代表活動の意義
話を日本に戻そう。
代表活動は「情報交換の場」の役割を果たしているとも聞く。国内組が海外組に現地の情報を聞くだけでなく、海外組同士がそれぞれのリーグやクラブについて話をする機会にもなっているのだ。そうやって知ることのできた情報が、将来の移籍に役立つこともある。所属クラブで日本語を使っていない選手にとっては、日本語で気兼ねなく話せる時間は貴重でもある。
ミャンマー戦後、森保監督は「チームのためにというのと、選手のためにというのをつねに考えていて、選手のコンディション、選手の置かれている状況を考えて、これまでもできる限りの対応はしている」と話した。代表活動が所属クラブの活動に悪影響を及ぼさない配慮も、「我々の役目だと思っている」と語る。
「所属チームで充実したプレーをすることが、選手にとっても、所属チームにとっても、我々にとっても非常に有益なこと。しっかり選手の状況を見極めながら、これからも招集、起用を考えていきたい」
代表活動を前にケガをしてしまった選手、ケガの予兆が見受けられる選手、ケガ明けの選手に、無理をさせないのは大前提である。そのうえで、所属クラブでのプレータイムを注意深く追跡し、選手一人ひとりの状況に応じて招集するか否かを決めていくのだ。
森保監督は「誰が出ても勝てるように、誰と組んでも機能するように」と言う。その時々のベストメンバーを編成するとしても、スタメンは固定せずに招集した選手を可能なかぎり起用する。それが海外組の負担軽減とケガの予防につながる。同時に、チーム全体の底上げをはかっていくことにもなるのだ。