酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
「バウアー32歳が中4日フル回転」背景抜きに“見習え”は危険では…山本由伸3年連続、東克樹が奮投も「沢村賞」基準が“昭和のまま”
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byJIJI PRESS/Nanae Suzuki
posted2023/11/02 11:02
バウアーと山本由伸。サイ・ヤング賞経験者と3年連続沢村賞右腕の成績を中心に、先発投手の意義について考えてみると……
2014年夏には当時レンジャーズのダルビッシュ有が「120~140球を投げても中6日あればじん帯の炎症も全部クリーンにとれる」と言った。
また巨人の桑田真澄二軍監督は「プロ野球の先発投手は135球を投げて9回完投を目指すべき」と主張している。
こうした指摘に対して、野球界は科学的知見に基づいて検証すべきだろう。ただし「個人差」があるので一律の法則性を求めることはできない。
「昭和の野球」が戻ってくるわけではない
いずれにせよ、バウアーのように短い間隔で投げる投手、より多くの球数を投げる投手が増えたとしても「昭和の野球」が戻ってくるわけではない。今と昔は、野球の質もスケールも全く別物になっている。
沢村賞は、最新のデータに基づいて基準を改めるべき時に来ていると思う。