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野村克也が岡田彰布に苦言「ワシの話を聞けんのか」阪神時代“じつは不人気だった”ボヤキ…2人の確執説には続きがあった「岡田はえらいな」

posted2023/11/03 11:02

 
野村克也が岡田彰布に苦言「ワシの話を聞けんのか」阪神時代“じつは不人気だった”ボヤキ…2人の確執説には続きがあった「岡田はえらいな」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

野村克也と岡田彰布は不仲だったのか? 25年スコアラーとして阪神を支えた人物が明かした

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岡野誠

岡野誠Makoto Okano

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 野村克也と岡田彰布には確執があった――。1999年から2001年まで阪神タイガースで一軍監督と二軍監督の関係にあった2人にはそんな噂が渦巻いていた。野村監督時代を含め阪神で25年間に渡ってスコアラーを務め、岡田を幼少期から知る三宅博氏(82歳)が真相を語る。(全3回の3回目/#1#2へ)※敬称略。名前や肩書きなどは当時 

 ◆◆◆

 野村克也は阪神の監督就任当初、岡田彰布二軍監督への親近感を隠そうとしなかった。人気喜劇役者・藤山寛美を例に出しながら、自らの現役時代を振り返り、こう語っていた。

〈寛美さんが全盛で、凄く人気があった時や。それに便乗して同じ風ぼう、同じ役柄、アホの野村ということか「コラ、寛美」とよくヤジられたよ。そうしているうちに岡田(2軍監督)が出てきてな。同じ顔だし、同じようなしゃべり方だろう?横にいると弟みたいや。〉(※1)

「ワシの話を聞けんのか」野村と岡田の衝突

 低迷から抜け出せない阪神は1998年オフ、野村を監督に招聘する。Bクラス常連のヤクルトを9年で4度の優勝、3度の日本一に導いた名将の就任に、関西は沸き上がった。秋季キャンプが始まると、毎日のように『野村語録』がスポーツ紙に掲載されていた。

 前年オフ、吉田義男監督の誘いで二軍打撃コーチとして阪神に舞い戻った岡田は野村の就任前に、二軍監督兼打撃コーチへの昇格が決まっていた。当初は穏和なムードだったが、翌春のキャンプ前に2人は衝突してしまう。三宅が振り返る。

「野村さんは一軍、二軍合同で夜にミーティングをして『ノムラの考え』を選手に伝えようとした。ただ、岡田は若手に夜間練習をさせたかったんやな。一軍と二軍では宿泊先が違って、バスで往復1時間の距離があった。それを含めると、毎日2時間も取られてしまう。発展途上の選手には技術が必要だから、『二軍の子には練習かミーティグか選択できるようにしてください』と提案した。そしたら、野村さんが『ワシの話を聞けんのか』と怒ったんやな」

【次ページ】 野村が絶句した“最初のミーティング”

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