マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
「“関西発”高校No.1サウスポーは阪神へ」「育成のオリックス真骨頂は“社会人の下位指名”」ドラフト全指名予想《ソフトバンク・阪神・オリックス編》
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph byNanae Suzuki
posted2023/10/25 06:03
ドラフト目玉候補の前田悠伍投手(大阪桐蔭高・180cm77kg)
ケガの梅野隆太郎捕手からレギュラーマスクをあずかって、坂本誠志郎捕手が大奮戦した今季。栄枝裕貴捕手も控えて、今はそこまで心配じゃないが、将来のことは、岡田彰布監督もポロッと不安を漏らしていたことがある。
2位・鈴木叶(常葉大菊川高)。タイプとしてはまさに、矢野燿大元監督の現役時代。スマートな長身と抜群の強肩、リストの利いた強打。今年のドラフト、進藤勇也捕手(上武大)が獲られたら、高校生でもこの捕手だ。
頭脳派・坂本誠志郎捕手と明治大バッテリーを組ませたら、いったいどんなことになるのだろうか。3位・村田賢一(明治大)も相当考えながら投げている投手だけに、頭脳と思考がぶつかり合ってパニクるのか。それとも、球界№1の「食えない配球」で強打者たちを悩ますのか。興味は尽きない。
本気で投げれば、150キロに達するパワーを隠し持ちながら、多彩な持ち球に微妙なさじ加減を加えながら「27球完封」を目指す。剛球全盛のプロ野球で、「今のボールの根拠」をたどりたくなるこういう投手がいてもよい。
岡田監督「上手い内野手なら、何人でも欲しい」
上手い内野手なら、何人でも欲しい。これも、岡田監督のつぶやきの一つ。
ならばこの先、まだまだ上手くなれる余力を残したこのショートだ。
4位・松浦佑星(日本体育大)は、宮崎・富島高当時から甲子園のグラウンドでもキラッと光っていた。
たぶん高校、大学7年間、チームの遊撃手ではトッププレーヤーだったのでは……? だからこそ、この選手、自分より上手い選手を間近で見たら、その刺激で本物のショートストップになれる。
「突き抜けたセンスを持った者は、より高いレベルに置いた時、さらに輝きを増す」
私の勝手な絶対則に、ピタリはまる選手だ。
センバツ甲子園のマウンドから、快腕を2人。
進学濃厚と聞いていたのに、「U-18」で優勝して、一転プロ入りを表明した東恩納蒼(沖縄尚学高)は、今年の成長カーブが凄かった。センバツ、夏の甲子園、そしてU-18。見るたびに精度が上がって、パワーアップ。いちばん実感していたのは本人だろう。ならば、プロで良いのかもしれない。
一方のハッブス大起(東北高)は、その名の通り、間違いなく「大器」だ。
まだまだ鍛え込める余力を残して、今も大きいが、体ももっと大きくなれる。
理由は、豪快なフォームのバランスの良さ。2年本気で自身を鍛えたら、コンスタントに150キロ台を投げられる剛腕になれる。そこを本人が本気で信じられるかどうか……だ。