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「佐藤将光って誰?」と言われても…“36歳のRIZINデビュー”ベテラン格闘家が見せつけた“本物”の強さ「知らない人はそれでいい」 

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布施鋼治

布施鋼治Koji Fuse

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photograph byRIZIN FF Susumu Nagao

posted2023/10/07 17:09

「佐藤将光って誰?」と言われても…“36歳のRIZINデビュー”ベテラン格闘家が見せつけた“本物”の強さ「知らない人はそれでいい」<Number Web> photograph by RIZIN FF Susumu Nagao

10月1日の『RIZIN LANDMARK 6』でレスリング五輪銀メダリストの太田忍を破った佐藤将光。飄々とした36歳の知られざるバックボーンとは

「知らない人はそれでいい」カネや知名度には興味なし

 幼少期から様々な経験を重ねているせいか、佐藤は物事を達観視しているようにも映る。

「昔からよくそう言われます。でも、自分ではよくわからない(笑)」

 プロレスラーの坂口征夫が経営する水道管工事会社に勤務しながらプロ格闘家として活動していたときには、会社近くのプレハブの寮に住んでいた。その理由がふるっている。「一番合理的」だと思っていたというのだ。

「起きたらすぐ会社に行ける。戻ったら、すぐ練習に行けるじゃないですか」

 昔は人が作ったレールの上を歩いていた。「とりあえずいい大学に入ればいい」と考え、明治大学理工学部に進学し建築士を志した時期もある。しかし大学2年のときに本格的に格闘技の道を突き進むようになってから、佐藤の価値観は大きく変わった。

「アマチュアのトーナメントで準優勝してプロへの道が見えたときに、『もうちょっと頑張ってみようかな』と思いました。格闘技は自分がやり続けたことが結果として出てくる。そこが面白かった」

 お金や知名度だけが全てではない。自分が本当に好きなことに、本気で打ち込めるかどうか。その積み重ねが、36歳にして味わいを増し続ける佐藤将光を作り上げたといえる。

「総合格闘技はやることが多いから、キャリアのピークは結構遅くやってくると思いますね」

 本人は「穏やかに暮らしたい」「知らない人は知らない人でそれでいい」とも語っていたが、太田に勝利した今、佐藤はRIZINバンタム級戦線のメインストリームに乗ったと考えてもいいのではないか。もう「佐藤将光って誰?」とは言わせない。

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