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「佐藤将光って誰?」と言われても…“36歳のRIZINデビュー”ベテラン格闘家が見せつけた“本物”の強さ「知らない人はそれでいい」
text by
布施鋼治Koji Fuse
photograph byRIZIN FF Susumu Nagao
posted2023/10/07 17:09
10月1日の『RIZIN LANDMARK 6』でレスリング五輪銀メダリストの太田忍を破った佐藤将光。飄々とした36歳の知られざるバックボーンとは
2017年10月には、修斗の世界バンタム級チャンピオン決定戦で石橋佳大と対戦。7カ月前に引き分けた相手との再戦となったが、3-0という明確な判定勝ちで戴冠に成功している。
父はファッションデザイナー「派手な服がイヤで…」
プライベートでは、父がファッションデザイナーとして名を馳せる佐藤考信さんであることも知られている。今回のRIZINで入場時に着用したガウンも父がデザインしたものだ。かつて筆者の取材を受けた佐藤は、父についてこんなことを言っていた。
「小さい頃は『これ着ろ』と派手な服を着せられてイヤだなと思い、『普通の服の方がいい』と反発していた記憶があります。父は自分が着ているものも派手なので、サッカーをやっていた僕の応援に来るのもイヤだった時期がありましたね」
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両親が離婚した関係で、父親とは小学校低学年のときから一緒に暮らしていない。
「その後も親父とは週1~2回くらいの頻度で会って、一緒にご飯を食べて、銭湯に行くような関係でした」
どんなお父さんだったのだろうか。
「破天荒だけど、子供みたいな人ですね。僕が4、5歳くらいのときはバブルですごかった。家は目黒区の東山というところにあってメチャクチャ広かったし、車は2台ありました。でも、子供だったので、それが普通だと思っていました。サッカーのコーチから『お前の家はいい家だな』と言われたりもして。離婚する頃には、親父の景気も落ちていました」
父の栄枯盛衰は佐藤家の生活レベルに直結した。気がつくと、住まいは普通のアパートになっていたという。
「飯が食えないほどひどくはなかったけど、家は狭くなりましたね。あの変化が中学生くらいに起きていたら、僕も結構荒れていたかもしれない。僕は3人兄弟の末っ子なんですけど、姉と兄は反抗期がすごかったですから」