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「タケはゴレアドール(点取り屋)だ!」“TAKEユニ少年”の久保建英評…初CLにリーガ6戦4発「ソシエダサポの愛と期待」は高まるばかり
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph byDaisuke Nakashima
posted2023/09/25 17:04
CLデビューを飾り、リーガ6戦4発と決定力が光る久保建英。ラ・レアルの10シーズンぶり欧州最高峰の戦いでも勝利に導けるか
その後もソシエダは、前半を通しほぼ思い描いた通りのプレーを見せた。前線からの激しいプレッシング、中盤では素早い出足で相手のパスを遮った。最後尾では、体を張ってボールを跳ね返す。しかしそんな中、守備時には5バックを敷く相手を前に、久保はボールを受けることすらできない時間が多くなった。
それでも久保は守備強度は落とさないまま、徐々にプレー関与を増やしていく。すると、前半終盤には、マークにつく2人をかわして利き足とは逆の右で高精度のクロスを送っている。
しかし、これを頭で合わせたル・ノルマンのシュートは惜しくも枠を捉えることはできなかった。決定的なチャンスを逸し、ボールの行方を追う久保を捉えた写真の背後には、頭を抱える多くのサポーターの姿が写り込む。それでも前半終了間際には、ボックス内から強烈なシュートを放ち、存在感を示した。
久保がCKから決定機を作ったが
1点のリードで迎えた後半、ポゼッションではインテルを下回るものの、効果的なカウンター攻撃でソシエダが有利に進める。また久保がキッカーを務めたCKからもオヤルサバル、メリノが決定機を迎えるも、ソシエダはゴールを決め切ることができない。
72分、久保に代わって本職SBのオドリオソラが投入され、85分には、先制点のブライスに代わってCBパチェコが投入される。フレッシュな選手をピッチに送り込んだが、キックオフから続けるプレッシングに翳りが見え始めると、インテルの攻撃がソシエダのゴールを脅かす機会が増えていく。
79分には久保のマークから解放され、攻め上がったアウグストのクロスからインテルがゴールネットを揺らすが、オフサイドの判定に助けられた。しかし、なおも続くインテルの猛攻。前半の勢いなく、引いて守るしかなくなったソシエダに、頭を抱えるファンの姿が多くなる。
終盤の同点弾→ドローに久保は俯きながらも
そして87分、競り合いのこぼれ球をゴール前に放り込まれると、キャプテンでもありエースFWのラウタロ・マルティネスが反応し同点ゴールを決められてしまう。
肩を落とす守備陣、そしてサポーターも頭を抱える。残ったわずかな時間もソシエダには反撃する力は残っておらず、インテルの攻勢を受けるもなんとか凌ぎ切り、終了の笛を迎えた。
久保は、俯きながらも挨拶のためにピッチに姿を現した。