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「タケはゴレアドール(点取り屋)だ!」“TAKEユニ少年”の久保建英評…初CLにリーガ6戦4発「ソシエダサポの愛と期待」は高まるばかり
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph byDaisuke Nakashima
posted2023/09/25 17:04
CLデビューを飾り、リーガ6戦4発と決定力が光る久保建英。ラ・レアルの10シーズンぶり欧州最高峰の戦いでも勝利に導けるか
CLインテル戦当日、試合前の雑観取材をしていると、TAKEユニにキャプテンマークを巻いた親子連れと出会った。
〈なんでTAKEのユニを選んだの?〉
という問いに、当たり前だろという表情で「好きだからだよ」と答えてくれた。するとお父さんが、どこが好きなんだと助け舟を出してくれる。
「ゴレアドール(点取り屋)、それとスピードだよ」と。
写真撮影のお願いをすると「これが僕の最初のユニホームなんだ」とポーズを取ってくれた。
この少年のように――今まさに、ソシエダサポーターとしての自覚を持ち、また今まさに、初めてのユニホームをおねだりする時に、自身の背に纏う番号に、14番を選ぶことがなんと自然なことなのだろう。
今季ソシエダのリーガでの戦いを見た子供にとって、久保建英はまさにチームNo.1のゴレアドールであり、昨シーズンから見ている彼らにとっては、昨季リーガ1番のMOM獲得数の久保は、背に纏うに相応しいということだろう。
久保にとって初のCL、相手は強敵インテルだった
ソシエダが10年ぶりに迎えたCLの試合は、久保にとって初の舞台となった。以前から憧れを公言している、夢の舞台だ。相手はインテルナツィオナーレ・ミラノ、昨季CLファイナリスト、強敵だ。
いつものスタジアムだが、いつもとは一味違う空気が包む。スタジアムに詰めかけたファンの気合いが温度を上げる。ただスタジアムを彩るモザイクの中、入場してくる選手たちは、平常心だ。
ピッチに選手が並び、CLアンセムが流れる。久保にカメラを向けると、そっと目を閉じ、それを噛み締める姿があった。
久保は、ホイッスルと共に猛然と相手ボールホルダーへ詰め寄った。久保だけではない、前線の全選手がプレスをかける、格上相手への宣戦布告だった。
激しいプレスからの先制点、ただ久保には…
GKをスタートに最終ラインからボールを繋ぐ相手に対し、最前線オヤルサバルの動き出しがスイッチとなり、ソシエダイレブンは絶え間なく、プレスをかける。
その策が実ったのは、前半4分、オヤルサバルがサイドからGK、さらにはパスを受けたバストーニまで止まることなく走り寄ると、ブライス・メンデスが連動。バストーニを挟み撃ちにしてボールを奪い切った。GKヤン・ゾマーとの1対1をメンデスが冷静に決め切り、ソシエダが先制に成功した。