寺地は完成されたプロであり、どんな称賛にも値する選手だというのが私の意見です。現在のトップ10は層が厚いため、まだPFPランキング入りは果たしていませんが、4団体統一を果たせば可能性は膨らみます。リングマガジンのアンソン・ウェインライト記者は「寺地はPFPにランクインする寸前にいる」と述べていました。

　その地点まで来たのであれば、今後は試合内容が問われることになるのでしょう。ゴンサレスとの統一戦が実現するとして、僅差判定で勝つのと、圧倒的なストップ勝ちを収めるのとでは印象がかなり違ってきます。トリッキーなスタイルとスキルを持つノンティンガが相手であっても同じことです。

　井上尚弥がスティーブン・フルトン（アメリカ）に勝った後、“井上こそが世界最高のファイターだ”という声が数多く出たのは、あれほどの実力者を一方的に下したからでした。その直後、テレンス・クロフォード（アメリカ）が同じようにエロール・スペンスJr.（アメリカ）に支配的な勝ち方をしたために、リングマガジンのPFPは1位クロフォード、2位井上という順番になったのです。

　その例が示す通り、ハイレベルなPFPランキングではどのような勝ち方をするかが焦点になってきます。寺地も今後、強豪を相手に戦い続け、ファン、メディアに衝撃を与えるような勝ち方ができれば、PFPトップ10入りは否定できなくなるでしょう。

　強敵と対戦し続けるという点では、日本のエリートボクサーたちは信頼が置けます。彼らはビッグファイトを組むのに、アメリカ、イギリスの選手のように数年も待ったりはしません。井上はバンタム級時代も常に最高の相手を追い求め、スーパーバンタム級での初戦でも階級最強の選手と戦いました。そんな姿勢こそが、私が日本のボクシングに関して最も感心させられている部分。

　寺地についてもそれは同じで、今回の指名戦のあとは統一戦、最高の相手を追い求めてくれるのでしょう。

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「後編」では中谷潤人への期待、そして那須川天心に対するリアルな評価を明かしている。

（続く）

#2に続く

中谷潤人（25歳）は井上尚弥のように階級を上げるべき？ 軽量級に詳しい英国人記者の見解は…那須川天心の“率直”な感想も「まだ後方にいる」