- #1
- #2
プロ野球PRESSBACK NUMBER
5歳後輩・山本由伸が「今永さん、何やってんすか!」今永昇太30歳が明かす“由伸にイジられた日々”「ダルビッシュさんはお兄ちゃんのようでした」
text by
佐藤春佳Haruka Sato
photograph byNaoya Sanuki
posted2023/09/14 11:07
横浜DeNAベイスターズ、今永昇太投手(30歳)。「ダルビッシュさんのおかげで家族のようだった」というチームを振り返る
「ダルビッシュさんがお兄ちゃんのような、お父さんのような空気感をまとっていたので、本当に終始、チームは和やかでした。初めて集まったメンバーじゃないような空気感があって、次第に一つの家族のようなまとまりを見せていったと思います」
「今永さん、何やってんすか!」
コミュニケーションが深まった大きなきっかけが、投手全員が集まり宮崎市内の焼肉屋で開いた食事会、通称「宇田川会」だ。この会の実現に向けて、実は今永は重大なミッションを遂行していた。
「山本由伸が『ピッチャー会したいですね』みたいな話をしていて、練習中に『今永さん、ダルビッシュさんに言ってくださいよ』って振られたんです。『(国内組)最年長の仕事果たしてくださいね』って振りをされて(笑)。それで、僕も『よし、俺が言ったるわ!』って」
ADVERTISEMENT
今永はウォーミングアップ中になんとかダルビッシュに話しかけようと初恋相手に話しかけるかの如く目で追っていたのだが、どうにもきっかけが掴めない。5歳年下の山本からは「今永さん、何やってんすか!」と叱咤され、三十路の左腕は「ちょっとタイミング見失ってる……」と目を白黒。キャッチボールが終わった後のロッカーで、ようやくダルビッシュと二人きりになるチャンスが訪れた。
「ここしかない、と意を決して『ちょっとピッチャー全員集めて、食事会など開いてもいいですか』とお聞きしたんです。そうしたらダルビッシュさんも前のめりになってくれて、『あっ、そういうのやりたいから、やろうよ!』って」
「野球部がごはん食べてる、って感じの空気」
店の手配は毎年宮崎市内で春季キャンプを過ごす戸郷翔征が担い、キャンプ最初の休日に実現した投手会は大いに盛り上がった。
「5、6人ずつ3つのテーブルに分かれていましたが、ダルビッシュさんは色々な人に話を振ってくれて、本当にワイワイガヤガヤと食事をしました。ダルビッシュさんのお話をみんなで聞いて凄いって感激したり、でもそんなに堅い感じではなく、本当に野球部がごはん食べてる、って感じの空気でしたね」