観ている人たちに「この形になったらイケる」と思わせるのは、すでにウインガーとして恐怖を与えているということ。メッシのような細かいタッチもすごいけれど、あれだけのスピードに乗りながらボールタッチが全くブレないことが素晴らしい。短い距離やスペースで仕事をするアタッカーはいますが、三笘のように30～40mの中距離で高いクオリティを出せる選手は貴重な存在です。これをプレミアリーグの舞台でやっているのですから、本当にすごい選手になったと思います。

三笘が生きる“ブライトンのフォローの多さ”

　あと、このシーンでいいなと思ったのはブライトンのフォローの多さ。

　左サイドに流れて道を開けた10番のエンシソ、中央へ上がってくる逆サイドのマーチ、右サイドバックのミルナーもゴール前に侵入しようとしています。三笘のようなタレントがいても「行ってください」と任せるのではなく、常に次の可能性も踏まえて動いている。「俺たちも行くぞ」という共通認識があるんでしょう。原則があるのでカイセド、マクアリスターら昨季の主力選手が移籍してもサッカーの質が変わらないんです。

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　ブライトンは、さらにバルセロナのスペイン代表MFファティを獲得しました。左ウィングが主戦場なのでポジションは三笘と被りますが、中央でもプレーできる選手なので共存は楽しみ。三笘もドリブラーでありながら人を使うのがとても上手いので、クラブとして初挑戦となるELの舞台でも威力を発揮しそうですね。

三笘の鮮やかなフィニッシュ　©Getty Images

　さぁ、日本代表としては冒頭にも話したドイツ戦に臨みます。欧州でプレーする選手が主体ですから移動の負担もそこまで大きくはないでしょう。それに三笘を始めアタッカー陣は好調を維持しています。久保建英、鎌田大地、伊東純也、堂安律、上田綺世、古橋亨梧……どんなスタメンになるでしょうか。ドイツにもう一度ひと泡吹かせる試合を期待しましょう。