「カマダの悪口言うとかアホ」「すげえゴール」ラツィオ同僚とファン絶頂＋イタリア紙1面…“日本人が知らない鎌田大地評”を在住記者は見た

　初ゴールはインパクト満点だった。

　9月2日のセリエA第3節ナポリ戦でラツィオMF鎌田大地は、52分にセリエA初ゴールを決めた。

　鎌田のゴールが決勝点となり、ラツィオは2-1で昨季王者ナポリを破って今季リーグ戦初勝利を挙げ、シーズンの再スタートを切った。　

鎌田のセリエA初ゴールとなったシュートの瞬間　©Getty Images

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開幕連敗にブチギレ気味のラツィアーレだったが

　ラツィオは開幕から苦境にあった。

　昨季2位に大躍進したチームが、同16位のレッチェと2部からの昇格組ジェノアにまさかの連敗を喫し、指揮官マウリツィオ・サッリは眉間に皺を寄せた。ラツィアーレ（※ラツィオファンの別称）たちは覇気の見られないチームに「キン●マ見せろ（根性出せ）！」と奮起を求め、地元ローマの新聞もTVもラジオも「昨季の2位で選手たちに慢心があるのではないか」「フィジカル・コンディション作りに遅れがある」と批判の色を強めた。危なげなく開幕2連勝した王者ナポリ相手に、ラツィオの苦戦は必至というのが大方の下馬評だった。

　ところが、敵地「ディエゴ・アルマンド・マラドーナ」に乗り込んだラツィオは、過去2戦とは見違えるように別物のチームだった。

昨季王者ナポリ相手にラツィオは勇敢な戦いを見せた　©Getty Images

　序盤こそ、今季初先発した昨季のリーグMVPクワラツヘリアとFWオシムヘンのナポリコンビにしばしば自陣を脅かされるが、ラツィオのCBコンビは平常心で捌いた。開幕2戦同様、4-3-3の右インサイドハーフで先発した鎌田は右のタッチライン沿いまでワイドに開いたかと思うと、中央に切り込み、動きながら攻守の切り替えを高速で捌く。鎌田が動けば、ボールとチーム全体がリズムをつかんだ。

左足で完璧な“ディアゴナーレショット”

　ラツィオの先制点はMFルイス・アルベルトのヒールキックによる芸術的一撃だったが、これも自陣からの縦パスを右サイドで折り返した鎌田のクレバーなポジション取りが一連のプレーの発端だった。

　2分後にアンラッキーな形で同点に追いつかれるが、1-1で迎えたハーフタイム中にラツィオの選手たちは主将チロ・インモービレを中心に積極的に意見交換を交わした。地元メディアのリポートによれば、鎌田も交えてチーム全体が勝ち越しへ強い執念を示したという。

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