甲子園は必要なのか？

――甲子園に行った人は、やっぱり甲子園は特別だと言いますよね。近年、選手への健康面の配慮から甲子園の現状にも厳しい目が向けられていて、「甲子園なんていらないのでは」という極論も聞かれるようになりましたが。

島田　僕も甲子園がすべてだとは思いません。だから、甲子園をなくすのではなくて、甲子園以外の野球を増やしていけばいいんだと思います。せっかくあるものをなくすのではなく、新しいものを作る。今、いろんな地域でリーグ戦をしたりしていますよね。だから、夏の大会は一応出るけど、甲子園に重きはおかずに普段のリーグ戦の方を重視するチームがあってもいいじゃないですか。ただ、スポーツって、競争の中で磨かれる部分もあるし、人に見られているから上達する部分もある。そういう意味では、甲子園という文化は、やはり日本の誇るべきものだと思うんです。あそこでしか得られないものがある。なので、開催方法等、改善の余地はあると思いますけど、僕は残すべきだと思っています。あれ以上の大会というのは、なかなか作れないですから。やる方は、大変ですけどね。現場を離れると、高校野球の監督って本当にかわいそうだな、って思いますもん。

日本において国民的行事ともいえる「甲子園」　©BUNGEISHUNJU

明徳義塾に「5年連続1点差負け」

――勝ったときと負けたときの振り幅がすごいですよね。

島田　負けたらむちゃくちゃ言われますから。本当に。今年も高知で、久しぶりに明徳義塾が準決勝で負けたじゃないですか。そうしたら、ネットで「馬淵はもう終わった」みたいなことを書かれるわけですよ。あんなに勝っている監督、他にいないのに。みんな好きでやっていると思うんですけど、使命感みたいなのもあってやっているところもある。それなのに、あんなに叩かれて。

――島田さんも馬淵さんには相当、負けていますよね。

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