普段は冷静沈着な三笘には珍しいプレーだったが、本人は「（スタンドに）ファンがいることを忘れていた。警告はちょっともったいないですけど、レッドをもらわなくてよかった」と申し訳なさそうに話した。

　ただ三笘の自己評価とは裏腹に、英メディアの評価は軒並み高かった。プレミアリーグ公式サイトと英衛星放送スカイスポーツは、三笘をMOM（マン・オブ・ザ・マッチ）に選出。地元メディアのサセックス・ワールドは「三笘がルートンを大いに苦しめた」、サセックス・ライブも「終始脅威だった」と好意的に伝え、両サイトとも日本代表にチーム最高点をつけた。

前半43分、アウェイサポーターのいるスタンドにボールを蹴り入れ、警告を受ける　©AFLO

「彼は自分とタイプが似てます」

　連携面にも注目が集まった。

　昨シーズンのチームからセントラルMFのアレクシス・マクアリステルとモイセス・カイセドの名がなくなり、代わりに開幕戦ではパスカル・グロスと新戦力のマフムド・ダフードが同位置に入った。

　前線に目を向けると、同じく新戦力のジョアン・ペドロがトップ下で先発した。CFのダニー・ウェルベックと2トップのように真横に並んだり、互いの位置を変えたりして臨機応変に動いていたが、21歳のペドロは三笘との好連携で何度かチャンスを作った。

　興味深かったのは、ペドロの位置取りだ。ブラジル人アタッカーはやや左寄り、つまり三笘のサイドに流れてくることが多かった。三笘は「数的優位を作りながら、相手が嫌がることをやっている。だから、ジョアン（・ペドロ）が左に流れてくるのは良いことだと思います」とし、チームの狙いでもあったと説明した。

　たしかに、三笘のパスからペドロが前線に抜けたり、あるいはペドロのパスから三笘が縦に走るシーンもあった。2部ワトフォードから加入したペドロとのコンビネーションについて、三笘は次のように手応えを口にした。

「彼とはやりやすいです。自分とタイプが似てますし、彼がやりたいこともわかる。それを生かしながら、近い距離で一緒にプレーすればうまくいくことが多いかなと思います」

「左MF三笘」vs「右SBミルナー」

　新戦力に関して、三笘が思わず感嘆の声をあげたのが37歳のジェームズ・ミルナーだった。

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