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2年目・三笘薫26歳の本音「“新生ブライトン”をどう感じている?」“移籍組”への評価を現地記者が聞いた「37歳で彼は本当にスゴい」
text by
田嶋コウスケKosuke Tajima
photograph byGetty Images
posted2023/08/17 17:03
開幕戦にフル出場した三笘薫。前半36分、絶妙なクロスボールでMFマーチのゴールをアシストした
エンシソには「お前はあっちに行ってろ」と追い払い、ラージョの選手たちには抗議してやり返した。何事もなく事態が収まると、ミルナーはエンシソの元に歩み寄り、一言二言、声をかけた。おそらく「冷静にやれ、試合に集中しろ」とでも言ったのだろう。若手の多いブライトンで、ミルナーのように冷静に振る舞える選手は極めて貴重であると、そう強く思った。
リバプールでもマンチェスター・Cでも、ミルナーは「選手の模範」と高い評価を受けてきた。体調管理や食事、生活習慣に人一倍気を使い、自宅に戻ってもヨガを欠かさないという努力家だ。一方、普段から「常にサッカーのことを考えて生活している」と話す三笘のことである。シーズンを通して、大先輩ミルナーから大きな刺激を受けていくのは間違いないだろう。
新生ブライトンはまだ完成していない
昨シーズンのブライトンは、一体感あふれる攻撃で敵を圧倒した。その結果、クラブ史上最高位の6位まで上り詰め、クラブ初となる欧州リーグ参戦を決めた。
その昨シーズンのチームからマクアリステルとカイセドが離れ、ペドロやダフード、ミルナーといった新しい選手が加わった。
今季のチームは、まだ完成の域には達していない。連携面について、三笘も「今日の1試合だけではまだ分からないところがある。これから強い相手も出てきますし、そこで自分たちのサッカーができるか。今後やっていくしかないですね」と語り、改善の余地を残していると認めた。
その一方で、「新加入選手の特長を引き出すことができれば、昨シーズン以上のプレーができると思う。時間が経てば良くなってくるはず」とし、大きなポテンシャルを秘めていると力を込めていた。
チームの基本的なやり方は変わらないが、選手が入れ替われば、プレースタイルに変化が生まれるのは当然のこと。新加入選手と共に、ブライトンにどのような化学反応が生まれていくのか、そして、その中で三笘はいかに輝いていくのか──。
新しいスタートを切った三笘とブライトンの今シーズンが、本当に楽しみでならない。
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