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「髪型で野球するわけではない」慶応高の衝撃…森林監督が語っていた“今年はなぜ強いのか?” 甲子園4万人が沸いた清原勝児「野球は本当に楽しい」
text by
田口元義Genki Taguchi
photograph byNanae Suzuki
posted2023/08/12 11:04
甲子園初戦で北陸を下した慶応ナイン
森林は「たかだか数年しか監督をやっていないし、選手たちは毎年頑張ってくれています」と断った上でこう分析する。
「慶応義塾のスタイルに誇りを持って、『これを貫いていこう』という意志がキャプテンを中心に強い学年は、結果が伴いやすいのかな、という気がしています」
試合ではプレーの質を高めることに徹する。常に最高と最低を思い描いているため、いかなる局面でも表情が崩れることはない。北陸との試合だけでも、今年のエンジョイ・ベースボールを理解することはできるはずだ。
髪型で野球をするわけではない
慶応義塾といえば、枕詞のように「長髪」が取り上げられる。
しかし、これもチームから言わせれば戦後あたりからすでにそうであり、「髪型で野球をするわけではない」というマインドが脈々と受け継がれているだけだ。だから、昨年のキャプテンだった宮原慶太郎のように坊主頭もいるし、要するに「爽やかだと思われる範疇の髪型であればあり」が、慶応義塾の教えでもあるのだ。
彼らは、見た目で野球をすることはない。
慶応義塾としての心を整え、好きな野球をグラウンドで体現することに注力する。
1打席を楽しんだ清原が、こう言っていた。
「野球は本当に楽しいんで。僕たちを見て、『楽しそうに野球をやってるな』って思ってもらえるようにプレーしたいです」
野球の本質、原点。慶応義塾には高校野球が忘れかけているものが詰まっている。
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