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球体とリズムBACK NUMBER
怪物FWハーランド、間近で見ると威圧感が…“Fワード交えた冗談”でグアルディオラが「とてつもない才能でまだ23歳。だから…」と絶賛のワケ
posted2023/07/29 17:01
text by
井川洋一Yoichi Igawa
photograph by
Lexy Ilsley-Manchester City/Getty Images
宿願の欧州制覇へのラストピース──。
約1年前にマンチェスター・シティがアーリング・ハーランドを獲得した時、複数の欧州メディアと同様に、個人的にもそんな印象を抱いていた。そして結果は、チャンピオンズリーグで見事に頂点に立っただけでなく、プレミアリーグとFAカップでも優勝し、シティは1999年のマンチェスター・ユナイテッド以来、イングランド勢でふたつ目の3冠を果たしたチームとなった。
その3大会で当時22歳(この7月に23歳になったばかり)のノルウェー代表ストライカーは、50試合に出場し、51得点を挙げた。驚愕の数字だ。一昨季までのシティでは、多くの選手がスコアシートに名を連ねていたが、北欧出身の怪物の加入により、彼の傑出した決定力を全面的に生かすチームに変わった。
そんな見立てが正しいかどうか、7月26日に国立競技場で行われたバイエルン・ミュンヘン戦後の記者会見で、ペップ・グアルディオラ監督に質問してみた。
「もちろんだ。リーグ戦で36得点、全公式戦で50ゴール以上も記録した選手だからね。なにより、彼はとてつもなく大きな才能を備えている選手だ。また彼はチームメイトとのコネクションをうまく築いた。それがなければ、パスを引き出すことができないからね。このチームには、素晴らしいビジョンを持った名手が揃っている。つまり、互いの貢献があってこそ、それ(ハーランドの記録)は可能になったのだ。今後も、これが続くことを願っている」
その後、外国人記者から「グアルディオラ監督のチームに適応するには、時間を要すことが多いが、ハーランドはどうか?」と訊かれると、カタルーニャ出身の52歳の指揮官は率直な対応で報道陣の笑いを誘った。
「アーリング・ハーランドはマンチェスター・シティにすんなり馴染んだと思う。60ゴール以上も決めたんだぞ……何を言っているんだ(Fワード)。順応に関して、問題は一切なかった」
疲れていたからか、やや感情的になったからか、得点数は少し盛りすぎてしまったが、グアルディオラ監督はハーランドの特長をさらに続けた。