NumberPREMIER ExBACK NUMBER
「ハッピーな毎日です」石川佳純(30歳)が引退後のインタビューで明かした“本音”「言い訳を絶対に許さないプライドがありました」
text by
高樹ミナMina Takagi
photograph byWataru Sato
posted2023/07/28 17:00
Numberの引退記念インタビューに青いワンピースを着て現れた石川佳純さん
弱みを見せず、あまり多くを語らない。それが引退まで第一線を走り続けた石川佳純という一流アスリートの流儀だった。大会の取材現場でも記者が彼女から核心に迫るコメントを引き出すのは容易でなかった。
「試合に出て戦う以上、技術面も戦術面も精神面も本音を出すのは難しくて、あまり面白い話もできなかったと思います。でも、東京オリンピックの前後ぐらいからだいぶ言えるようになったかもしれません。それはオリンピックの厳しい代表選考レースを'12年ロンドン、'16年リオデジャネイロ、そして東京と3大会連続で乗り越えて成長し、自分の中でも自信がついて、少し気持ちに余裕ができたからだと思います」
「若い世代に勝てないんじゃないか。もう無理なんじゃないか」
そんな彼女の本音が歓喜の涙とともにあふれ出たのが、'21年1月の全日本選手権女子シングルス決勝だった。
リオデジャネイロ五輪以降、急速に伸びてきた伊藤美誠、平野美宇、早田ひなといった若手の突き上げに苦しみながら、'18、'19年連覇の伊藤にゲームカウント1-3から大逆転勝ちし、5年ぶり5度目の全日本女王に返り咲いた忘れられない大一番である。
優勝インタビューで石川は、「若い世代に勝てないんじゃないか。もう無理なんじゃないかって思ったこともあったし、言われることもいっぱいあって。でも、そうじゃないことを卓球が教えてくれた」と珍しく本音を漏らした。
コーチや家族以外の前で彼女が弱音を吐いたのはこの時ぐらいだったのではないだろうか。
「確かにそうだったかもしれません。コートに立つ以上、今日は調子が悪かったという『今日は』という言い訳を自分の中で絶対に許さないプライドとモットーがありました」
【続きを読む】雑誌ナンバーの記事がすべて読めるサブスク「NumberPREMIER」内の[引退記念インタビュー]石川佳純は「晴れやかに、すがすがしく」【現役時代に本音を言えなかった理由とは?】で、こちらの記事の全文をお読みいただけます。