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女子卓球の選考レースは独走状態…東京五輪で“補欠だった”早田ひな(22歳)はいかに覚醒したのか? コーチが明かす「不器用だけど我慢強い」素顔

posted2023/06/17 06:00

 
女子卓球の選考レースは独走状態…東京五輪で“補欠だった”早田ひな(22歳)はいかに覚醒したのか? コーチが明かす「不器用だけど我慢強い」素顔<Number Web> photograph by JIJI PRESS

世界卓球・女子シングルス準決勝で世界ランク1位の中国人選手と対戦する早田ひな

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矢内由美子

矢内由美子Yumiko Yanai

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 日本独自のポイントシステムで争われている卓球のパリ五輪代表選考レースは、ビッグポイントの獲得チャンスだった5月の世界選手権を終え、女子は早田ひな(日本生命)が2位以下との差をさらに広げて独走態勢を揺るがないものとしている。

 早田は5月の世界選手権(南アフリカ・ダーバン)に世界ランク10位で登場。準々決勝で世界ランク3位の王芸迪(中国)と対戦し、4-3で撃破した。準決勝で世界ランク1位の東京五輪銀メダリスト・孫穎莎(中国)に1-4で敗れたものの、2017年の平野美宇(木下グループ)以来、日本勢6年ぶりの銅メダルを獲得した。

 世界選手権後、「上には上がいるなと思った」「孫選手に勝つには、課題を克服しないと追いつかない」と唇を噛んだ早田だが、「やってきたことは間違ってなかった」と手応えも口にした。

 伊藤美誠(スターツ)、平野と同じ2000年生まれ。中学1年生でITTFワールドツアー女子ダブルスを制した“みうみま”コンビがシングルスでも破竹の勢いで台頭する中、ゆっくりと、でも着実に成長してきた早田。今こうして日本のトップを牽引する存在になった背景にはどのような歩みがあったのか。

鬼気迫る打ち込み、深夜までサーブ…早田の練習量

 急激な成長のターニングポイントとなったのは、20年1月の全日本選手権女子シングルスの優勝だ。その約1カ月前の19年12月に、もともと20年夏に開催予定だった東京五輪の代表選考レースが終了。日本卓球協会は年が明けた20年1月に、世界ランキング上位の伊藤と石川佳純を女子シングルスに、石川と最後までシングルス枠を争った平野を女子団体メンバーとして選出した。そして、早田が補欠として東京五輪に帯同することが発表された。

 伊藤と組んだ世界選手権女子ダブルスで17年銅メダル、19年銀メダルなどの実績もあったがあと一歩及ばず、悔しさを噛みしめた早田は、その思いを全日本選手権にぶつけた。まずは伊藤とのペアで女子ダブルス3連覇を達成。女子シングルスではさらに集中力を高め、準決勝で大会3連覇が懸かっていた伊藤を、決勝では過去4度優勝の石川を破り、初優勝を飾った。

 石川との決勝では持ち味であるパワフルな攻撃を次々と繰り出し、「めちゃくちゃ楽しかった」と笑顔を浮かべた。東京五輪の落選が決まってからの数日間は「自分を追い込んで、追い込んだ。逃げずに頑張ろうと思った」。鬼気迫るほどの打ち込みと、深夜までサーブ練習を繰り返して大会に臨んだことを明かした。

【次ページ】 コーチが明かす早田の素顔「器用ではない。けど…」

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