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現代の最強カットマン・橋本帆乃香の戦略「やっぱり日本人選手に勝てるように…」世界ランク10位、対海外勢41連勝で見えてきた「オリンピックへの思い」
posted2025/12/08 11:03
世界ランキングは10位、国際大会で大躍進中のカットマン・橋本帆乃香
text by

松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
Ichisei Hiramatsu
国際大会で快進撃を続け、“カットマン”というユニークな戦型で話題を集める橋本帆乃香(27歳)。女子卓球界の異端児は、いかにしてその個性を磨いてきたのか?《NumberWebインタビュー全3回の最終回/第1回、第2回も公開中》
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今年大幅に世界ランキングを上昇させ、注目を集める橋本帆乃香。どんな球もしぶとく拾い、機を見て鋭く攻める、世界でも珍しいカットマンだ。躍進の要因は、国際大会出場の機会を増やすためにデンソーポラリスに移り、競技環境を変えたことにあると言う。
ではなぜ、国際大会に出ることにこだわったのか。その土台には、まだ出たことのないオリンピックという目標がある。
「日本の選手はカット打ちがうまい」
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2024年パリ五輪代表の選考は、コロナにより国際大会のスケジュールが不安定になったことから、国内独自の選考大会を設けてランク付けすることになった。通例と異なる選考基準に、橋本は葛藤を抱えていた。
しかし2028年ロサンゼルス五輪の代表選考に関しては、まだ正式に基準は発表されていないものの、以前のように世界ランキングに則って選出されると言われている。国際大会に出場して成績を残し、世界ランキングを上げる重要性は、以前と同様に高まることになる。
「日本の選手はカット打ちがうまいですし、対応してくる」
橋本は日本勢同士の試合を課題に挙げる一方で、海外の選手には無類の強さを発揮している。ここ1年での中国勢との戦績は17勝4敗であり、今年8月に孫穎莎に敗れるまでは海外の選手相手に41連勝を記録した。
「世界ランキングで選ぶというルールにもう一回戻れば、自分にもチャンスが必ず来ると思っています」
そのためには、国際大会に数多く参加する必要がある。だから国際大会出場にこだわった。


