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伊藤美誠でも平野美宇でも早田ひなでもなく…卓球女子“黄金世代”に続く「次世代」の10代選手とは? 痛感する「パリ五輪代表争い大混戦の要因」
posted2023/08/13 11:04
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
JIJI PRESS
7月31日から8月6日にかけて行われていた卓球の国際大会の1つ「WTTコンテンダーリマ」。その女子シングルス準々決勝で、木原美悠が第1シードの伊藤美誠から3-1で勝利をあげた。
それはある意味、日本女子の将来を思わせるものだった。
卓球は現在、パリ五輪代表を巡るレースが続いている。従来の選考方法と異なり、国内に選考大会を設けるなど国内外の選考対象大会でのポイントをもとにランキングを作り、シングルスはその上位2名を選ぶ――昨年3月の「LION CUP」でスタートしてからポイント対象の大会もかなり消化し、残り4大会となった。
8月7日に、最新のランキングが発表されている。
1位 早田ひな 597.5ポイント
2位 平野美宇 394ポイント
3位 伊藤美誠 365.5ポイント
となっている。
早田、平野、伊藤…「黄金世代」の次の世代とは?
選考レースがスタートした当初は、最初からトップに立った早田はともかく、2、3位には平野や伊藤以外の選手が顔を出していることもあったが、回数を重ねるにつれ、2000年生まれで今年23歳を迎える「黄金世代」と呼ばれてきた3人が上位を占めるに至った。3人の地力をあらためて思わせる。
一方で、今日まで激しい競争が繰り広げられてきた理由は、3人以外の選手の健闘にある。長いキャリアを誇る選手たちがいて、また年齢が下の、若い世代の選手たちがパリへの切符を手に入れるために挑んできた。
例えば、先の木原は今年8月に19歳になったが、現在、248点で五輪選考ポイントの4位につける。5位には222.5点の張本美和がいる。張本智和の妹で、今年6月に15歳になった。そして7位にいるのは202点、21歳の長崎美柚だ。