プロ野球亭日乗BACK NUMBER
秋広優人20歳が大覚醒! 坂本勇人の離脱中に本塁打量産のホープが巨人・後半戦のカギを握る「ホームランにこだわりはないですね」
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKYODO
posted2023/07/24 11:05
7月に入って4戦連発を含む6本塁打を量産している巨人の秋広優人
しかしその3連戦に負け越し。そしてその後もズルズルとやられっぱなしなのである。
投手陣は踏ん張っている。
交流戦明けの17試合の平均失点は3.44。最後のヤクルト戦で10点、11点と2試合連続2桁失点はしたものの、そこまでは6失点が3試合あるだけで、その他はいずれも1試合3失点以下に抑え込んでいる。
やはり低迷の理由は打線にある。明らかに得点能力の低下が、チーム成績に反映しているということだ。
それもそのはずで、坂本が登録を抹消されて以降の17試合の主力選手の成績は以下の通りなのだ(*カッコ内の数字は本塁打数)。
岡本和真 61打数12安打 .197(2)7打点
丸 佳浩 55打数11安打 .200(2)4打点
中田 翔 37打数9安打 .243(2)3打点
大城卓三 59打数11安打 .186(1)5打点
吉川尚輝 62打数13安打 .210(2)6打点
次男の岡本と三男の大城が揃って打率1割台。レギュラークラスでは中田の2割4分3厘が最高打率というのだから、お話にならないのは当たり前かもしれない。
実はこの現象は去年も同じだった。
昨年の坂本は開幕2試合を含めて3度のチーム離脱があった。そして長男がチームを離れていた58試合の成績は、26勝32敗と大きく負け越している。
そして今年も開幕直後から坂本のスランプと軌を一にするように、チームは低迷を続け、坂本の復調と合わせるように、成績も上昇線を描き出していた。その結果が交流戦での勝ち越しだったわけである。
ただその長男が怪我で離脱し、復帰にはまだ時間がかかりそうだ。1軍の試合に戻ってくるのは早くても8月になるだろう。その中でチームは後半戦のスタートを切らなければならなかったからだ。
”末っ子”秋広優人が7月に本塁打量産
もちろん次男・岡本の復調が巨人打線活性化の第一の鍵になる。ただもう1人、後半戦で注目したいのが、売り出し中の末っ子・秋広優人内野手のバットなのである。