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秋広優人20歳が大覚醒! 坂本勇人の離脱中に本塁打量産のホープが巨人・後半戦のカギを握る「ホームランにこだわりはないですね」
posted2023/07/24 11:05
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
KYODO
大黒柱の長男がいなくなると、どうにも家族みんながシュンとして、親戚から手伝いに来たお兄ちゃんたちも思うように力を出せなくなってしまう。
それがいまの巨人打線のどうしようもない現実である。
前半戦終了間際の失速の原因は、長男・坂本勇人内野手の戦線離脱だった。
6月23日の広島戦。交流戦明け初戦となったこの試合の1回に坂本は二塁へ内野安打を放ち、一塁を駆け抜けたときに右太もも裏の肉離れを発症した。その場で交代。翌24日には登録を抹消。そこからチームも坂道を転げ落ちていくことになった。
坂本がケガをした6月23日の3連戦初戦は同点の4回に岡本和真内野手が意地を見せる決勝ソロを放って、5対3で逃げ切りはした。しかし坂本の登録が抹消された翌24日は3点を追う8回に秋広優人内野手の犠飛で上げた1点だけで1対3の敗戦。25日の3連戦最終戦も再三、チャンスを作りながら決定打が奪えずに2対3で負け越しが決まった。
長男がいなくなった6月24日の試合からオールスターブレークまでの17試合は、5勝11敗1分と大きく負け越し。最後のヤクルト3連戦も3連敗で、シーズン成績も40勝42敗の借金2で前半戦を折り返すことになったのである。
「勝負所でことごとく星を落とした」
Bクラスの4位に沈んだ昨シーズンを振り返って、原辰徳監督が敗因の1つとして挙げていたのがこのことだった。
坂本不在中の主力選手の成績を見ると…
今季はスタートダッシュに失敗しながら、6月を目処にチームの立て直しを図り、その狙い通りに交流戦は11勝7敗と勝ち越した。ようやくチームの形が整う気配が見えて、この時点で貯金は3つ。首位・阪神とも5・5ゲーム差と、虎の尾も見えてきたところだった。だからこそ交流戦明け最初のカードとなる広島3連戦は、原監督が言うところの「勝負所」の試合だったはずなのである。