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C・ロナウド38歳の年俸「305億円」、メッシにフラれたが「611億円」オファー説…サウジ勢の“クレイジー爆買い連発”ウラ事情
text by
井川洋一Yoichi Igawa
photograph byWill Palmer/Allstar,Getty Images
posted2023/07/14 17:00
クリスティアーノ・ロナウド。フットボール界の頂点にいた彼が、なぜサウジアラビアに?
「それでもここにいられてハッピーだし、今後もここで続けていきたいと思っている。欧州では午前中に練習するが、ここでは午後か夜に練習する。断食期には、22時から練習をするので、すごく変な感じがするよ」
そして彼が「ビッグネームも、若手も、ベテランも、もしここに来れば、大いに歓迎してもらえる」と同業者を促すと、カリム・ベンゼマやエンゴロ・カンテ、カリドゥ・クリバリ、エドゥアルド・メンディ、マルセロ・ブロゾビッチら30代の選手だけでなく、セルゲイ・ミリンコビッチ=サビッチやルベン・ネベス、ジョタら20代の選手たちまでもが、後に続いている。
FIFAは新戦力登録を禁止した。しかし…
ただしロナウドとブロゾビッチ、ダビド・オスピナ、タリスカらが所属するアル・ナスルはここにきて、FIFAからさらなる新戦力の登録を禁じられた。理由は、2018年から2020年まで所属したナイジェリア代表アフメド・ムサに付帯した追加の移籍金を、前所属先のレスター・シティに支払っていないことが問題視されたためだという。とはいえ、一時的な措置のはずで、じきにカネで解決されることになるだろう。
そんなアルナスルが、7月下旬に日本で2試合のフレンドリーマッチを行う予定だ。来日メンバーはまだ発表されていないが、チケットの額は相当強気の設定だ。特に25日に大阪で行われるパリ・サンジェルマン戦は、50万円と35万円のホスピタリティシートに、15万円のファンシート、8万9000円のカテゴリー1、5万2000円のカテゴリー2がある。
あるいは開催者は、ここがサウジアラビアだと勘違いしたのではないだろうか。今の日本は世界の先進国や富裕国と比べて、かなり物価の安い国だ。日本円が安く抑えられ、物事の高いクオリティーは維持されているので、外国人旅行者にとっては世界最高の目的地のひとつになっている。
ただし庶民の給料も抑えられている今のこの国に、スター選手は目にできても真剣勝負の望めない興行試合の観戦に大枚を叩こうとする人が一体、どれほどいるだろうか。行き過ぎた資本主義、いや拝金主義は、フットボールを軽薄なものに見せ始めているような気さえする。
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