メジャーリーグPRESSBACK NUMBER
大谷翔平が過ごした“歴史的な6月”のウラ側…「勝ったらいいなっていう、もうそれだけですね」月間15本の大爆発はこうして生まれた
text by
阿部太郎Taro Abe
photograph byNanae Suzuki
posted2023/07/01 17:01
三冠王も視野に入るほどの活躍を見せている大谷翔平。現地時間6月30日のダイヤモンドバックス戦では、月間15本目となる30号ソロを放った
「勝ったらいいなっていう、もうそれだけですね」
大谷が6月に爆発した理由。それは技術面や体調面の充実に起因していることは間違いないが、チームの状態が与える影響も大きいだろう。
例年以上にアドレナリンが分泌され、大谷というアスリートの凄みをいっそう引き出しているようにも映る。
春先、マイク・トラウトは、今季オフにフリーエージェントになる大谷について「引き留めるためなら何でもやる」と言った後、「とにかく勝つこと。彼はそれを望んでいる」と繰り返した。
大谷は個人のパフォーマンスより、チームの勝利が一番の優先事項だと常々強調している。
6月15日、首位を走るレンジャーズを撃破した時の言葉に、その気持ちが詰まっていた。投げては6回2失点で6勝目。打っては8回に相手を突き放す貴重な2ランを放ったが、「今日はもう勝ったらいいなっていう、もうそれだけですね」と端的に言い切った。
「ヒリヒリする9月を過ごしたい」(2021年)
「本当はここ(10月)からが本番」(2022年)
二刀流で大成功を収めたこの2年、大谷が残した印象的な言葉には、プレーオフを逃した悔しさが詰まっていた。
だが、今年は「ヒリヒリする9月」を迎え、「本番」の10月の戦いに進むチャンスはある。最高の舞台で二刀流のスーパースターが躍動する姿を、日米のファンが待ち望んでいる。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。