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大谷翔平が過ごした“歴史的な6月”のウラ側…「勝ったらいいなっていう、もうそれだけですね」月間15本の大爆発はこうして生まれた
text by
阿部太郎Taro Abe
photograph byNanae Suzuki
posted2023/07/01 17:01
三冠王も視野に入るほどの活躍を見せている大谷翔平。現地時間6月30日のダイヤモンドバックス戦では、月間15本目となる30号ソロを放った
二刀流で1試合2発、「伝説の1日」に大谷翔平は…
あれから1年が経った。
今年の6月、大谷はまさに歴史的な活躍を見せている。本塁打はメジャートップを独走し、一発が出ない試合でも安打を量産。そして、現地時間27日のホワイトソックス戦は極めつきとばかりの「伝説の1日」となった。
投打同時出場し、「リアル二刀流」では自身初の1試合2発という離れ業。しかも、その2発は先制27号ソロと、1点差に迫られた後の貴重な追加点となる28号ソロ。爪が割れた影響によって7回途中でマウンドを降りたものの、投手としても1失点の投球で7勝目を挙げた。
試合後の表情には、充実感が滲む。「(1本目の本塁打の後に)水原通訳が代わりに兜を被ったが?」という質問では、取材が行われたクラブハウス前の通路に大谷の笑い声が響いた。
「ちゃんとかぶってなかったので、ノリが悪いなと思いましたね(笑)」
笑顔の理由は明らかだ。
長らく低迷していたチームが、プレーオフに向けて好位置につけている。
大谷は打撃や投球の真髄についてはオブラートに包むことがあるが、今の気持ちは包み隠さず語った。
「個人的にはこの位置にいた方が、負け越しより気持ちが入る」
ネビン監督もそんな大谷の充実した気持ちのあり方を日々、実感している。
「彼は勝ちたいんだ。彼がここ(エンゼルス)に来てから、今までにない位置にいるから、どんどん楽しくなっていると思う。彼は自分がどう試合に影響を与えるかを理解し、いいパフォーマンスを発揮するスーパースター。WBCでもそれを見たと思う」