酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
「オオタニを敵チームもアツく報道」「6月27戦15発+5登板中3戦で自援護HR」マンガを軽く超える大谷翔平〈87.6の新武器〉ってナニ?
posted2023/07/02 17:02
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Nanae Suzuki
最近、朝テレビをつけるとどこの局でも大谷翔平のニュースをスポーツ枠ではなく、トップニュースで報じるようになっている。
「大谷翔平選手、また打ちました」
「それ聞いた、昨日の話だろ?」
そうではなくて今朝も打った、というのだ。そんな馬鹿な、と思っているうちに、6月は何と15本塁打。エンゼルスは6月は27試合だから、半分以上の試合で打っていることになる。
圧巻だった6月の本塁打、投手成績を並べてみると
この疾風怒濤の6月、チームの勝敗と大谷の本塁打と投手成績を並べてみよう。
6月1日 アストロズ●:
6月2日 アストロズ●:5回自責点4●
6月3日 アストロズ●:
6月4日 アストロズ○:
6月5日 試合なし
6月6日 カブス○:16号
6月7日 カブス○:
6月8日 カブス○:
6月9日 マリナーズ○:17号/6回自責点3
6月10日 マリナーズ●:18号
6月11日 マリナーズ○:
6月12日 レンジャーズ〇:19、20号
6月13日 レンジャーズ○:
6月14日 レンジャーズ●:21号
6月15日 レンジャーズ○:22号/6回自責点2○
6月16日 ロイヤルズ○:
6月17日 ロイヤルズ●:23号
6月18日 ロイヤルズ○:24号
6月19日 試合なし
6月20日 ドジャース●:
6月21日 ドジャース●:7回自責点1●
6月22日 試合なし
6月23日 ロッキーズ●:25号
6月24日 ロッキーズ〇:
6月25日 ロッキーズ●:
6月26日 ホワイトソックス〇:26号
6月27日 ホワイトソックス〇:27、28号/6.1回自責点1〇
6月28日 ホワイトソックス●:
6月29日 ホワイトソックス●:29号
6月30日 ダイヤモンドバックス●:30号
6月の本塁打の出足は遅かった。6月6日のカブス戦、鈴木誠也が守る右翼の頭上の上段席に打ち込んだ第16号は5月31日に2本塁打して以来の一発だった。
しかしそこからは3試合以上間隔が空くことなく本塁打を打ち続けた。
この間、投手としても調子がしり上がりによくなり、6月9日以降の4登板連続でQS(先発して6回以上投げ自責点3以下、先発投手の責任)をクリアしている。
しかもこの間、5登板中3登板で投手・大谷を打者・大谷が援護する「自助努力の一発」を打っている。6月27日のホワイトソックス戦など2発である。もはや「マンガみたい」との表現さえ陳腐に感じる。
大谷が打ちまくってもア西地区3位の「なおエ」
しかしながら大谷が打ちまくってもチームはなかなか調子に乗ってこない。6月のエンゼルスは14勝13敗、ア・リーグ西地区では首位レンジャーズから6ゲーム離された3位、ポストシーズン進出の可能性は残っているにしても、チーム成績は華々しいとは言えない。