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“16歳からずっとなでしこ”岩渕真奈(30歳)まさかのW杯落選…「代表がないって想像がつかない」ずっと語ってきた“日本代表”へ特別な思い

posted2023/06/26 17:00

 
“16歳からずっとなでしこ”岩渕真奈(30歳)まさかのW杯落選…「代表がないって想像がつかない」ずっと語ってきた“日本代表”へ特別な思い<Number Web> photograph by YUTAKA/AFLO SPORT

日本代表デビューとなった2010年東アジア選手権。当時16歳、大会2連覇に貢献した(右は澤穂希)

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了戒美子

了戒美子Yoshiko Ryokai

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 さる6月13日、7月20日に開幕するFIFA女子ワールドカップのメンバー発表が行われた。だが選出されたメンバーにサプライズがあったかよりも、大きく報じられたのは岩渕真奈落選のニュースだった。U-22代表取材でウィーンにいたのだが、現場での挨拶の一言目は「岩渕落選しましたね……」だった。それくらい、衝撃だった。

 日常的に女子サッカーに関わっていたり、女子代表番として取材をしていればまた違ったかもしれない。ただ、少し離れている身にとっては驚くほかはなかった。

出場機会を求めて“禁断の移籍”も…

 客観的に見ていくと、岩渕はこのところ出場機会減に苦しんでもいた。2021/22シーズン、アーセナルに加入し、8月女子チャンピオンズリーグ(UWCL)予選オクジェプテス戦でデビュー戦初ゴールをあげ順調にスタートを切った。だが、2シーズン目となる昨季は前半戦出場3試合にとどまった。10月はインスタグラムに自身のプレー写真とともに「時々困難な瞬間が訪れるけど、サッカーはたくさんの楽しみをくれる。やり続けよう、スマイル。私はこの仲間とプレーするのが好き」と英語で投稿しており、苦しい時期を過ごしていたことがうかがえる。

 冬にはそんな状況を変えるため、アーセナルと同じロンドンを拠点とするトットナムに“禁断”の移籍を決断した。だが、リーグ戦10試合に出場したものの大半が途中出場、出場時間は短かった。そのため、代表落選も致し方なしと見るむきもある。

 池田太監督は「すべてを総合的に考えた」上だとメンバー発表記者会見で言及した。

 それでも岩渕といえば、U-16世代からA代表まで常に中心でプレーしてきた、今の日本サッカーの顔とも言える選手だ。今回選ばれていれば、熊谷紗希と岩渕だけが2011年ドイツ大会優勝を知る貴重な存在でもあった。そのドイツを含めW杯も3大会経験し、五輪も銀メダルのロンドン、予選突破さえできなかったリオ、8位の東京とまさに酸い甘いも経験してきた。

 今大会では、たとえば男子W杯ロシア大会の本田圭佑やカタール大会の柴崎岳のように、ベンチでチームを支えるという役割もあったのではないかと、勝手ながら思ってしまうが指揮官には違った基準、算段があるのだろう。

【次ページ】 「16歳からずっとなでしこ」

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