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“16歳からずっとなでしこ”岩渕真奈(30歳)まさかのW杯落選…「代表がないって想像がつかない」ずっと語ってきた“日本代表”へ特別な思い
text by
了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph byYUTAKA/AFLO SPORT
posted2023/06/26 17:00
日本代表デビューとなった2010年東アジア選手権。当時16歳、大会2連覇に貢献した(右は澤穂希)
多くの女子サッカー選手がそうであるように、岩渕は代表の活動を大切にしてきた選手だ。以前取材時、こんなことを話している。
「16歳からなでしこに入っているから、代表がないって想像がつかない。自分にとって代表の割合が大きくなっちゃってる。なでしことして世界の国と戦うのが好き」
キャリア上もっとも大きな経験は2016年リオ五輪予選敗退だったとも話していたことがある。
「2011年の優勝メンバーがまだ残っていて、やっと自分は貢献できるようになり始めていた時期だった。でも大好きな人たちの代表キャリアが終わってしまった。自分は上を目指そうって思った」
とあらためて覚悟を決めたことを明かしていた。
Twitterに投稿「みんなに気持ちを託せたら」
2017年に当時所属していたバイエルンから一旦日本に帰国したのも、2020/21シーズン後半だけアストン・ヴィラと契約したのも、その経験を受けて、当時としては最大の目標だった東京五輪を見据えてのことだった。それくらい代表活動を軸にキャリアを構築してきた。特にアストン・ヴィラ入団の際はもしも東京五輪がなければ、「優勝争いできるチームに一緒にやってみたい選手がいたのでそこでプレーをしたい」という願望も現実的な話もあった。当時は出場機会を重ねることに重点を置いていたわけだ。それくらい、代表軸でキャリアを重ねてきた選手だ。
それでも、今回はメンバー発表後すぐにコメントを発表した。
「今回メンバーに入る事ことはできませんでしたが、チームのみんなに気持ちを託せたらなと思います。なでしこジャパンへの応援よろしくお願いします」
落選をみとめ、仲間へのエールを送る。実はこれはなかなかできることではない。