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栗山英樹に両親が説教「非現実的で甘過ぎる」ジョークだった「プロ絶賛」発言を本気に…国立大の学生が“まさかのプロ入り”を果たすまで

posted2023/06/25 11:06

 
栗山英樹に両親が説教「非現実的で甘過ぎる」ジョークだった「プロ絶賛」発言を本気に…国立大の学生が“まさかのプロ入り”を果たすまで<Number Web> photograph by JIJI PRESS

WBCで侍ジャパンを世界一に導いた栗山英樹監督

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栗山英樹

栗山英樹Hideki Kuriyama

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 今春のWBCで侍ジャパンを世界一に導いた栗山英樹。教師を目指して入学した大学時代、両親から猛反対された野球挑戦、苦悩の現役時代……若き栗山が赤裸々に綴った、自身初の書き下ろしエッセイ『栗山英樹29歳 夢を追いかけて』(池田書店)。30年ぶりに復刊された同書から一部抜粋して掲載します。〈全3回の#3/#1#2へ〉

練習試合の相手に「プロ野球解説者」が…

 僕たちの野球部は、毎年、春休みになるとアルバイトで貯めたお金を出しあって、一週間程度のキャンプに出かけていました。その年に出かけたのは静岡県の袋井というところ。気候がいいし、それに、ある部員の情報で、合宿所の近所にラドン温泉があることがわかっていたのが、その場所に決めた理由です。

 その袋井で練習を続けていると、いつもチームのことを考えて人望の厚いキャプテンの比嘉正央が、玉川大学の野球部が、隣り町の掛川で同じようにキャンプを張っているという情報を仕入れてきました。そこで、相手チームに連絡して、キャンプの仕上げに練習試合を行うことにしたのです。

 試合当日、玉川大学が待っていた掛川のグラウンドに出かけて行って驚きました。ユニフォーム姿の部員や監督に混じって、私服姿で僕たちの到着を待っていた人がいる。何とテレビのプロ野球ニュースでおなじみの解説者、佐々木信也さんだったのです。部員から聞いた話では、玉川大学でキャッチャーをやっていた選手が佐々木さんの息子さん。それで、仕事で静岡に来ていた佐々木さんが、息子さんのプレーを見ようとグラウンドにやって来られていたわけです。

 そんな有名な人が見ているのだから、プレーにも力が入ります。もちろん、佐々木さんがいたからというわけではないのですが、その日の僕は絶好調。打席に入るたびに、快打を飛ばすことができたのです。

【次ページ】 ジョークだった“プロの絶賛”を鵜呑みに…

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