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侍ジャパンPRESSBACK NUMBER
元ソフトバンク・真砂勇介が語るWBC中国代表のリアル「プロ野球って?と質問攻め」「地鶏で決起集会」「最後にもらったプレゼント」の友情秘話
text by
佐藤春佳Haruka Sato
photograph byHaruka Sato
posted2023/06/12 17:01
無念の戦力外から一転、WBC出場で宝物のような経験を得た真砂。現在は日立製作所でプレーする
1次ラウンド中もコンビニ食で…
実は中国代表は、宮崎合宿から東京での1次ラウンドの期間中、ホテルでの食事が用意されていなかったのだという。
「ミールマネー対応で、みんなご飯にコンビニで買ったものを食べていました。日本語を喋れる選手も少ないし外食をしたくてもできない。日本代表はもちろん、プロ野球でもキャンプ、シーズン中は食事が出ますから、そのあたりは厳しいですよね。これはちょっと可哀想だと思ったので、ご飯を食べよう、って誘うこともありました。(決起集会以外にも)4、5人を連れて焼肉を食べに行きましたね」
中国ではWBC後に野球への関心が高まりつつあるが、それでもメジャースポーツと言えばバスケットボールや卓球、サッカーという現状に変わりはない。マイナースポーツである野球を続けている選手たちは、厳しい環境にも関わらず純粋な野球愛を持ち続けている。
「選手はみんな、もっと上手くなりたいという向上心があって、研究熱心で器用な選手も多い。代表チームとして今後の可能性も感じました。選手個々の人柄もめちゃくちゃ良くて、僕もすごくいい環境で野球をやらせてもらった。みんなに感謝したいです」
チームメートが真砂に贈ったプレゼント
1次ラウンドで敗退し、ホテルに帰って最後のミーティングを終えた後、真砂は選手やスタッフの一人一人に挨拶して回ったという。部屋に戻って着替えていると、ドアをノックする音がした。
「ドアを開けたら、『これをプレゼントするからサインをくれないか』って。人民元のお札を折り紙みたいに丁寧に折って、綺麗なお花のような形にしたものでした。『お金だしそんなの受け取れないよ』って言ったら『これくらいしかあげられないし、記念だから』って。それは嬉しかったですね。今でも家に飾ってあります。中国にLINEはないのでWeChat(中国発信のSNS)の連絡先を交換しました。今でもちょこちょこ電話が来たりとか、ボイスメッセージが来たりとかはあります」