猛牛のささやきBACK NUMBER
吉田正尚がオリックス後輩の悩みに“ズバリ回答”? パ首位打者・頓宮裕真(26歳)が明かす「アメリカの正尚さんに送った相談LINE」
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byKYODO
posted2023/06/05 11:05
パ・リーグトップの打率を残すオリックス頓宮裕真(右)。5月13日ホークス戦では、同郷で実家が隣だった後輩・山本由伸と初めてお立ち台に上がった
そして“考える”ことの重要性を、今年からチームメイトになった森友哉からも感じさせられたという。
「やっぱり、打っている人はすごく考えているんだなと。考えずに適当に振っていたら、もしかしたら1年は続くかもしれないけど、長くやるのは絶対に無理だと、改めて感じました」
突きつめて考え始めると、吉田に聞いてみたいことが次々に出てきて、そのたびに連絡を取るようになった。入団5年目にして、新しい知識に刺激を受けて吸収し、成長を続けている。
「いろいろ勉強していて、結果を見ても、今年のほうがヒットが出ていますし、ホームランはたまたま去年のほうが多いですけど、今は四球もたくさん取れているので、継続していきたいです」
捕手にこだわるよりも「まずは試合に出ること」
今季、頓宮は、本職だった捕手での出場は一度もなく、主に一塁手として起用されている。
昨年もシーズン終盤は一塁での起用が多かったが、捕手としても22試合に先発し、捕手へのこだわりを口にしていた。しかし今は少し違う。
「森さんも来ましたし、こだわる前に、まず試合に出られないと。キャッチャーをすることより、出ること優先です。ファーストは打たないとやっぱり使ってもらえないですからね」
どこか吹っ切れたように言った。
5月5日からは一塁で全試合に先発出場を続けている。バットでつかんだ居場所であり、一塁の守備でも好プレーで投手を救う場面が増えている。
意識の変化が見ている人にも伝わったのだろうか。6月1日に発表されたオールスターゲームのファン投票中間発表では、パ・リーグの一塁手部門で、頓宮が初めてトップに立った。
“強打の一塁手”が、オリックスのリーグ3連覇への頼もしいピースとなる。
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