「僕からLINEすることが多いんですけど、打席での待ち方だったり、『こうなっている時は練習でどういう意識で打ったらいいですか？』とか、いろいろ聞いていて、そのたびにめちゃくちゃ真剣に答えてくれます。箇条書きみたいにして、『左中間右中間に強い打球を意識する』、『ボールの内側を強く打つ』という感じで、気をつけることを教えてくれます。

　僕が『前に泳がされて打ってしまっている時は、何が悪いんですかね？』と聞いた時には、『もうちょっと早くタイミングとってみたら？』とか、『膝が曲がりすぎちゃうか？』とか、言ってくれました。結構映像も見てくれているみたいで。『暇やから』って、気にしてくれていますね」

　そうしたアドバイスを、打席に入る前、吉田の登場曲を聴きながら思い返している。

　昨年までは同じチームで毎日顔を合わせていたが、直接打撃の話をすることはあまりなかった。

「去年までは僕が、何も考えずに、ただ力で打っているような感じだったので」と苦笑する。

吉田正尚とタッチをかわす頓宮裕真（2022年日本シリーズ）©︎Naoya Sanuki

2022年日本シリーズ第5戦、サヨナラ3ランを放った吉田。頓宮は“最前列”で出迎えた　©︎Naoya Sanuki

昨季はホームラン量産も打率は低迷

　昨年はキャリアハイの81試合に出場し、初めて二桁本塁打を放ったが、打率は.226にとどまった。

　確実性を上げるために、今シーズンに向けては、「自分の戻れるところ」を作ろうと、毎日同じルーティン、同じ意識でバッティング練習をして、自分のスイングを確立してきた。

「芯ができているので、やるべきことをやって、結果はあまり気にしすぎないようにしています。自分のスイングができたらいい、と思っています」

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