酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
「大谷翔平がシーズン記録更新するかも」最近よく聞く「打撃妨害」マメ知識…張本勲ら安打製造機が名人、松井秀喜もMLBで急増してた
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byIcon Sportswire/Getty Images
posted2023/05/15 11:02
バットがキャッチャーミットに当たったことをアピールする大谷翔平。「打撃妨害」というスタッツにも脚光を当てるとは……
1960年代(1960~1969年)には打撃妨害は両リーグ合わせて80回記録されたが、2000年代(2000年~2009年)は42、そして2010年以降は24回しか記録されていない。21世紀以降、NPBの全試合は中継されていて、映像として記録されている。このことと「打撃妨害の減少」とは何らかの因果関係があるのかもしれない。
松井秀喜がメジャー移籍後に語っていたこととは
ところで、打撃妨害に関してはある大打者が、思わぬ言葉を漏らしている。
松井秀喜はNPB時代には、1999年と2000年に1つずつ打撃妨害を記録していただけだったが、MLBに移籍してからは、2003年から12年の10シーズンで10の打撃妨害を記録。なかでも2009年から11年の3シーズンでは8つも記録していた。
2011年、当時アスレチックスの松井秀喜は6月19日のジャイアンツ戦に4番DHで出場し1回に先発マット・ケインとの対戦で打撃妨害を記録した。試合後「1回の打席は捕手のミットがバットに当たって打撃妨害となったが」と記者に聞かれ「僕の得意技ですから(笑)」とぽろっと漏らしている。冗談ではあろうが、37歳、キャリア最晩年を迎えつつある大打者ならではの境地だったのだろう。
大谷の“本塁打の副産物”が打撃妨害出塁に?
しかし28歳の大谷翔平は、まだこうした「枯れる境地」ではない。
打撃妨害を宣せられても「えー!なんで? 翔平もっと打ちたいもん!」みたいなヤンチャな顔をするから、不本意なことなのではあろう。
ただ、今季長いバットで本塁打を量産すれば、打撃妨害は間違いなく増えるはずだ。「記録のデパート」と言える大谷翔平の思わぬ「副産物」として、MLBのシーズン記録を更新する可能性はあるだろう。
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