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松井裕樹がいま明かす“WBC中の苦悩”とは? 大谷翔平の“ある助言”に救われた話…「こういう気持ちは経験できない」「苦しいながらも前に」

posted2023/05/15 11:03

 
松井裕樹がいま明かす“WBC中の苦悩”とは? 大谷翔平の“ある助言”に救われた話…「こういう気持ちは経験できない」「苦しいながらも前に」<Number Web> photograph by KYODO

登板1試合に終わったWBC。松井裕樹が大会中の苦悩と、救われた大谷翔平の言葉を明かした

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田口元義

田口元義Genki Taguchi

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 3大会ぶりに世界を制したワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表は、今も光に包まれている。

 2月の代表合宿ではメジャーリーガーでただひとり初日から参加し、大会では本職の先発のみならず中継ぎ登板を果たすなど献身性を貫いたダルビッシュ有。投打の二刀流でチームを牽引し、アメリカとの決勝では胴上げ投手となり大会MVPに輝いた大谷翔平。そして、個性的なメンバーを束ね、覇権奪還を実現させた監督の栗山英樹。英雄たちによる栄光の記憶は、スポーツ界を明るく照らす。

 しかし、成功という美談だけで収めることができないのも、スポーツという世界である。チームのピースになろうともがいた存在がいたことも、忘れてはならない。

 松井裕樹が、そのひとりである。

まあ、情けない期間でしたよ

 歓喜の瞬間、松井にも笑顔はあった。チームとして世界一となれた充足感を偽ることはないが、個人としては別だ。

 所属チームの楽天で、昨シーズンを含め2度のセーブ王を獲得している絶対守護神がWBCで投げたのは、1試合だけだった。

「まあ、情けない期間でしたよ、はい」

 WBCの話題を向けると、表情こそ明るいもののやはり声色には陰りが見える。そんな自分を制止するかのように、松井は「でも」と世界と戦った自分を前向きにする。

「本当に一流の選手たちに囲まれて、いろんなものを見られたりとか、話を聞けたりしたんでよかったですよ」

 今大会は「ワンポイント禁止」といった原則ルールが設けられたなか、所属チームで救援を担う左ピッチャーで代表に選ばれたのは松井だけだった。それは、ゲーム終盤を締める役割として期待されていたからでもあった。

【次ページ】 WBC公式球に馴染めなかったのか

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