欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
「マコトはいつも控室でドイツ語の本を読んでいた」長谷部誠の海外1年目を知る大先輩レジェンド、パブロ・ティアムが絶賛する“人間性”
posted2023/05/11 11:01
text by
中野吉之伴Kichinosuke Nakano
photograph by
Getty Images
39という数字は彼にとって果たして何らかの意味があるのだろうか。
元日本代表キャプテン長谷部誠は所属クラブのフランクフルトで、39歳となった今も出場数を順調に増やし続けている。気が付くとブンデスリーガ通算出場試合数は374試合に伸ばしており、この数字は歴代出場試合数のランキングで99位にあたる。長いブンデスリーガの歴史で100人の中にランクインしているのだ。
長谷部誠24歳と同僚だったパブロ・ティアム
今季はリーグ30試合終了時で16試合に出場し、14試合でスタメン。さらには世界最高峰の舞台であるチャンピオンズリーグでも4試合に出場し、そのうち3試合でスタートからピッチに立っている。フランクフルト在籍8年10カ月での公式戦出場数は286を数え、次のシーズンで300試合出場を達成し、クラブレジェントの一人として歴史に名を残すことになるのは間違いない。
こうした輝かしい事実に対して、おそらく多くの日本人ファン、ドイツ人ファンが「長谷部ならそれだけのことはできるはずだ。素晴らしい」と、素直に最大級の賛辞を送るのではないだろうか。普通ではないことをやっているはずなのに、あたかもそれが別段不思議なことではないとさえ思わせてしまうところに、長谷部のすごさを感じずにはいられない。
ヘルタ・ベルリンの育成部長を務めるパブロ・ティアムに長谷部に関して話を伺う機会があった。ティアムはミッドフィルダーとして18年間ケルン、シュツットガルト、バイエルン、ヴォルフスブルクでプレーし、ブンデスリーガで通算310試合に出場を果たしたレジェンドだ。長谷部が浦和レッドダイヤモンズからヴォルフスブルクへ移籍してきた2008年は、ティアムにとってプロ生活最後となるシーズンだった。