アニメで描かれるレース展開は史実を忠実に再現したものとなっている。各馬の位置関係も内外までそのままで、比較してみると思わずニヤリとしてしまう。

　さらに実況も史実の競馬中継をオマージュした要素が取り入れられていたりする。スタート直後の逃げ馬に対する「行かないか行けないか」という言いまわしはフジテレビの三宅正治アナウンサーのそれがベースとなっているようだ。

　このレースでは最後にナリタトップロードが、テイエムオペラオーの大外強襲に屈することになるのだが、アドマイヤベガはいいところなく着外に沈む。史実でも、カイバ食いが細くなって弥生賞から馬体重マイナス12キロというバッドコンディションだったことが知られている。じつは『ROAD TO THE TOP』でも、食堂のシーンでおにぎり1個を頬張る程度の小食ぶりがしれっと描かれていたりする。

山本昌が解説で登場

　レースが終わり、映し出されるエンドロールのキャスト一覧を見ていると“解説 山本昌広”という文字が……。なんと、中継シーンの解説役は競馬好きで知られる元プロ野球選手の山本昌こと山本昌広氏なのである。

　武豊騎手をプロモーターに起用したり、細江純子元騎手も本人役で出演するなど、細かいところでも実際の競馬とのつながりを感じる『ウマ娘』。日本ダービーへと向かう第2話では、どのような史実ネタが織り交ぜられているのだろうか。

#2に続く

最後の直線の攻防だけで「150秒」…渡辺薫彦「とてつもなく長かった」を再現、アニメウマ娘『ROAD TO THE TOP』は1999年ダービーをどう描いたか？

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