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武豊も「ショックな結果」と語る
凱旋門賞の日本勢完敗、多くの教訓。

posted2019/10/11 20:00

 
武豊も「ショックな結果」と語る凱旋門賞の日本勢完敗、多くの教訓。<Number Web> photograph by Satoshi Hiramatsu

絶対王者エネイブル(左)を下し、フォワ賞の勝ち馬としては1984年以来の凱旋門賞勝利となったヴァルトガイスト(右)。

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平松さとし

平松さとしSatoshi Hiramatsu

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Satoshi Hiramatsu

 日本を代表するジョッキーである武豊騎手が「僕としてもショックな結果でした」と語った。

 現地時間10月6日、フランスのパリロンシャン競馬場で行われた凱旋門賞(GI、芝2400メートル)。史上初めてとなる同レース3連覇を目指して直線で一度は抜け出したエネイブル(牝5歳、J・ゴスデン厩舎)だが、ゴール寸前で地元馬ヴァルトガイスト(牡5歳、A・ファーブル厩舎)の強襲を受け2着に惜敗。偉業達成とはならなかった。

 しかし、武豊騎手が嘆いたのはこれに対して、ではない。

 今年の凱旋門賞には日本馬が3頭も挑戦した。しかし、いずれも好結果を残す事は出来なかった。

 最先着はキセキ(牡5歳、栗東・角居勝彦厩舎)の7着。ブラストワンピース (牡4歳、美浦・大竹正博厩舎)とフィエールマン(牡4歳、美浦・手塚貴久厩舎)はそれぞれブービーと最下位にあたる11、12着に沈むという残念な結果に終わった。冒頭の武豊騎手の言葉は、この日本馬の結果を受けてのものだった。

日本にはアーモンドアイがいるが。

 日本にはアーモンドアイ(牝4歳、美浦・国枝栄厩舎)というエースがいる。昨年の牝馬三冠競走をいずれも衝撃的な走りで制すると、続くジャパンカップ(GI、東京競馬場、芝2400メートル)ではさらに驚きの競馬を披露。2番手から先頭に立って押し切るという競馬で、2分20秒6という驚異的なレコードタイムで勝ってみせた。

 今春には勇躍ドバイへ遠征。ドバイターフ(GI)を制し、改めて世界へその強さを発信した。安田記念こそ不利もあって3着に敗れたが、彼女が現役ナンバー1と見る関係者は圧倒的に多い。先述したエネイブルを管理するJ・ゴスデン調教師を以前取材させていただいた際、このイギリスの伯楽は「良馬場ならエネイブルより強そうだね」と言った。

 日本人の当方に対するリップサービスも大いにあったかもしれないが、贔屓目に見なくてもあながち間違っていないかもしれない。アーモンドアイはそう感じさせるくらいの強さがある。

【次ページ】 3頭とも十分な実力馬だった。

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