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「ウマ娘になぜ松坂大輔の名言が?」話題のアニメ新シリーズ『ROAD TO THE TOP』第1話を読み解く「アドマイヤベガのおにぎりが1個だった理由は…」 

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屋城敦

屋城敦Atsushi Yashiro

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posted2023/04/20 11:00

「ウマ娘になぜ松坂大輔の名言が?」話題のアニメ新シリーズ『ROAD TO THE TOP』第1話を読み解く「アドマイヤベガのおにぎりが1個だった理由は…」<Number Web> photograph by Cygames, Inc.

弥生賞の後にナリタトップロードと言葉を交わすアドマイヤベガ(左)。作中の一挙手一投足にファンがグッとくる史実が詰め込まれている

「今度は私の恩返しの番です!」の元ネタは?

 また、同じ場面でナリタトップロードはトレーナーに対して皐月賞への決意を語り、「今度は私の恩返しの番です!」と告げる。これは、史実でナリタトップロードの主戦だった渡辺薫彦騎手による師匠・沖芳夫調教師への“恩返し発言”が元になっているのだろう。ナリタトップロードが2歳時の1998年、渡辺騎手はデビュー5年目でまだ100勝にも到達していない無名騎手だった。所属騎手とは言え、そんな彼に沖師は大事なクラシック有望株の鞍上を託したのである。師弟の絆の強さが、このセリフには込められていたのだ。なお、渡辺騎手は2012年の引退まで沖厩舎所属のままだった(その後も調教助手として2015年まで所属、現在は調教師)。

アドマイヤベガが背負う真実

 学内ではナリタトップロードが“委員長”としてクラスメートたちから慕われている様子も描かれている。屈託のない表情を見せる彼女を見送り、アドマイヤベガはこうつぶやく。

「負けないから、あの子にも――誰にも。だから見ていてね。お姉ちゃんのこと」

 きょうだいの存在が示唆されるセリフだが、それはアドマイヤボスやアドマイヤドンではなく、生まれてくることができなかった“妹”のことだというのが、すでにゲーム版で明かされている。史実でも、母ベガは1995年の種付けで双子を受胎していた。しかし、流産や死産、生後に虚弱子となることを避けるために早期に一方が堕胎され、残された胎児がアドマイヤベガとなったのだ。なお、妹については後半にも「勝つ、絶対に。そうすることでしか、あなたに償えないから」とつぶやいている。

正真正銘の父親が“初”登場!?

 その後の回想シーンでは、ナリタトップロードの父が登場する。穏やかそうな雰囲気をたたえているものの、「俺に似て不器用なんだよなー」、「性格は真逆なんだけどな」と語っているなど、激情家で知られる父サッカーボーイを彷彿とさせる。

 これまで『ウマ娘』で父親を登場させる際は、競走馬にかかわりの深い人物や環境など、血の繋がった親(サラブレッド)ではない存在を参考にしたとみられる設定はあったが、実の父が登場したのは初めてかもしれない。

【次ページ】 オペラオー回想シーンの芝/ダートにも注目

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