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“元オカダのライバル”SANADAはプロレス界の「景色を変える」ことができるのか? 師・武藤敬司の“あの技”を解禁した男の覚悟 

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原壮史

原壮史Masashi Hara

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photograph byMasashi Hara

posted2023/04/07 17:12

“元オカダのライバル”SANADAはプロレス界の「景色を変える」ことができるのか? 師・武藤敬司の“あの技”を解禁した男の覚悟<Number Web> photograph by Masashi Hara

ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンを脱退し、生まれ変わったSANADA。『NEW JAPAN CUP』優勝を手土産にオカダ・カズチカと激突する

 約3カ月の長期欠場を余儀なくされたSANADAは、6月の大阪城ホールでの復帰戦でいきなりUS王座戦に挑んだが、ウィル・オスプレイに敗戦。G1での再浮上も叶わず、11月には新設されたTV王座のトーナメントで若手の成田蓮に敗れ「このままじゃダメだ……」と苦しさをにじませた。

「このままじゃダメだ…」SANADAが溜め込んだ危機感

 年が明けて2023年。1月21日のノアとの対抗戦では、全日本時代のタッグパートナーでありライバルでもあった征矢学とのシングルが実現した。

 征矢との試合を前に、SANADAはノアの公式インタビューで「そのままでいいのか?」と呼びかけている。それは、苦悩する自分自身に向けた言葉でもあった。テレビ朝日のプロレスバラエティ番組『新日ちゃんぴおん。』では「自分の殻を破るか破らないかで、破れなかったらこのまま落ちてゆく」と発言し、危機感を募らせていた。

 しかし、その試合で征矢に敗北。厳しい現実を突き付けられ「自分がやってきた10年間が覆された。このままじゃいけない、というのは痛感している」とさらに悩むことになった。その3日後には新鋭・海野翔太にも3カウントを奪われた。さらに2月の札幌でもオカダのレインメーカーの前に敗北し、師・武藤敬司の引退試合では内藤のセコンドに甘んじた。危機感はかつてないほど溜め込まれていた。

 もっとも、その危機感をどのように試合で表すのか、というのがこれまでSANADAが頂点を掴みきれなかった理由でもあった。敗れた直後は悔しさを滲ませるものの、次のシリーズになると元のSANADAに戻ってしまう。リング上では「Cold Skull」の寡黙で実直な姿を貫き、良くも悪くもブレない。

 そんなSANADAが、「景色を変える」と言っている。

LIJを脱退、師・武藤敬司の“あの技”も披露

 3月5日、後楽園ホール。『NEW JAPAN CUP』開幕戦でタイチと相対したSANADAは、スカルエンドでもラウンディングボディプレスでもなく、捻りを加えた変型DDTを初披露して3カウントを奪取した。かつて「頭から落とすだけがプロレスじゃない」と語った男の中で、何かが変わっているのは明らかだった。

 もっともこの時点では、新技が加わっただけにも見えた。2戦目でKENTAを同技で破った後に久々のギフト(ファンにスマートフォンのライトを灯させるパフォーマンス)を実施したことも、「いつものSANADA」という印象を強めた。

 しかし3月17日、後楽園での準々決勝で内藤をも破ってみせたSANADAは、その場でLIJを脱退。タイチ、TAKAみちのく、金丸義信、DOUKIのJust 4 Guysに合流し、新生「Just 5 Guys」の一員として戦っていくことを表明した。

【次ページ】 「中堅選手で終わるつもりはない」SANADAの覚悟

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