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“元オカダのライバル”SANADAはプロレス界の「景色を変える」ことができるのか? 師・武藤敬司の“あの技”を解禁した男の覚悟 

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原壮史

原壮史Masashi Hara

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photograph byMasashi Hara

posted2023/04/07 17:12

“元オカダのライバル”SANADAはプロレス界の「景色を変える」ことができるのか? 師・武藤敬司の“あの技”を解禁した男の覚悟<Number Web> photograph by Masashi Hara

ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンを脱退し、生まれ変わったSANADA。『NEW JAPAN CUP』優勝を手土産にオカダ・カズチカと激突する

2019年は「オカダのライバル」だったが…

 一方、シングルでは2019年にオカダと4度も激突。春の『NEW JAPAN CUP』決勝ではオカダが勝利したものの「熱いうちにやっておいた方がいい」と福岡でIWGPヘビー級王座をかけて再び激突することに。SANADAが「同世代のライバルができて嬉しい」と言えば、オカダもそれに「楽しい」と呼応した。

 オカダの勝利が続いたが、8月の『G1 CLIMAX』公式戦でついにSANADAが初勝利を記録。10月の両国で再び2人によるIWGPヘビー級選手権が行われた。同年4度目のシングルマッチは、互いに手の内を知り尽くした同年代のライバル同士らしい大熱戦となり、この年のプロレス大賞の「年間最高試合賞」に選出されることになった。試合はオカダが勝利し、SANADAはG1公式戦での1勝しかできなかったが、間違いなくこの年、「オカダのライバルといえばSANADA」という確固たる関係ができあがった。

 しかしそれから3年が過ぎた現在、IWGPヘビー級の歴代王者の中にSANADAの名前はない。内藤だけでなく、タッグパートナーだったEVIL(※LIJ脱退後に獲得)や、自身より2年半後にLIJに加入した鷹木信悟の名前が栄光のベルトの歴代王者一覧に刻まれた一方で、オカダのライバルとして頂点を競い合っていたはずの男は、未だに最高王座を手にすることができていない。

 オカダの王座に肉薄しながらも敗れたときと同じく、ずっとあと一歩のところで引き戻されてきた。2020年にはG1公式戦で内藤超えを果たしたものの、決勝戦で飯伏幸太に敗北。2021年2月には、飯伏が持つIWGPヘビー&インターコンチネンタル王座に挑戦したものの敗れた。

 次第に、オカダのライバルといえば内藤やウィル・オスプレイ、あるいはジェイ・ホワイトであり、SANADAは最高王座をその腰に巻くことができない選手、と見られるようにもなってしまった。

 それでも、SANADAは歩みを止めなかった。2021年の夏には内藤とのタッグで久々にIWGPタッグ王座を獲得。2022年には、棚橋弘至から新日本でのシングル初タイトルとなるIWGP USヘビー級王座を奪取した。「あと一歩」が続いた時期を終え、シングル王者として団体の頂点に立つ器であることを示し、再び悲願の最高王座戴冠へ突き進む……はずだった。

 しかし、またしてもSANADAは躓いてしまう。

 USヘビー級王者として臨んだ『NEW JAPAN CUP』で目を負傷し、防衛戦を行うことなく王座を返上することになってしまった。

【次ページ】 「このままじゃダメだ…」SANADAが溜め込んだ危機感

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