4月のプレーオフと順位決定戦が終われば、イタリアでのクラブシーズンから日本代表へと戦う場所が変わる。以前はクラブの時はクラブ、代表は代表、と切り替えて話すことが多かったが、イタリアでの目標や課題を聞いていくうちに、ところどころで日本代表の話題とリンクする。いい意味でそれぞれを重ねられるようになったのは、近年の日本代表での好成績で得た自信も大きい。

「ナショナル（チーム）で結果を出すことがイタリアでの評価にもつながるし、ここで活躍できなければ代表には呼ばれない。イタリアで通用するプレーが増えれば増えるほど代表にも活かされるし、代表での結果につながればまたもっといいプレーができるようになるし、自信をもって取り組むことができる。日本代表としてもレベルが上がっていると実感しているので、十分世界と戦える、上を狙えるチャンスは十分あると思います」

　今秋には東京で、来年のパリオリンピック出場をかけた予選に臨む。24カ国が8チームずつ3グループに分かれ、出場権が与えられるのは各組上位2チームのみ。ハードなスケジュールで心身ともにタフさが求められる大会であり、プレッシャーもかかる。

　現在の日本代表は自国開催の東京五輪を経験した選手が多く揃っているとはいえ、厳しい予選を経ての五輪出場を経験した選手は1人もいない。未知なる戦いは間違いなく過酷なものではあるが、それでも石川には「心配はない」と言い切れる確信がある。

©Takahisa Hirano

「東京オリンピックや世界選手権、レベルの高い試合を経験してきたし、全員が世界で戦う厳しさをわかっているので。常に戦う気持ち、強いメンタルを持って取り組んでいる選手たちばかりです。だから全然、心配していないし、むしろ楽しみです」

　プレーの幅と身体、そして存在感。どこまで大きくなるのか聞けば聞くほど、見れば見るほど高まる期待。心の声で収めることなく、きっとまた何度でも驚かされるはずだ。

　石川祐希、またデカくなった、と。

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