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野球のぼせもんBACK NUMBER
周東佑京が明かす“ネット騒然”あのWBC激走の裏側「抜けると思った」…大谷“憧れを捨てよう”発言も「アメリカ代表全員からサイン欲しかった(笑)」
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph byJIJI PRESS
posted2023/04/04 11:01
WBC準決勝で“異次元スピード”が話題を集めた周東佑京。舞台裏を明かした
2019年にはプレミア12でもやはり俊足で世界一に貢献したが、「WBCは規模が違った。いろいろな選手を見て、話も出来た。自分の知らない世界を知ることが出来ました」とこの大会を振り返る。
野球観にも変化があったのだろうか。
「はい。野球はフィジカルとパワーだと思いました!」
もう数年前になるが、周東は昨季までソフトバンクで同僚だったキューバ人のジュリスベル・グラシアルに憧れ「グラシアルになりたい」と目標を語っていた。そのグラシアルはソフトバンクでプレーした5年間で362試合に出場して打率.293、59本塁打、178打点を記録。2019年の日本シリーズではMVPも獲得した勝負強い打者だった。また、来日前のキューバ国内リーグ時代には盗塁王に輝いており、もともとは走攻守三拍子そろったタイプの選手だった。
それでも「レギュラー確約ではない」現実
世界に通用する神足という長所をとことん追求するのか、それとも総合的な能力を伸ばしていきたいのか。
「どこを見ても『すごいな』って言われる選手になりたい。今は本当に足だけですけど、守備もそう、バッティングもそう。やっぱり全部がすごいなって言われる選手になりたいなと思いました。今回のWBCでそういう選手たちを見てきたから、余計にそんな風に考えるようになりました」
侍ジャパン戦士であり世界一メンバーの称号を手にした周東だが、ソフトバンクではレギュラーを確約された立場ではない。現に3月31日の開幕戦、周東の名前はスタメンにはなかった。
もう切り札に甘んじるつもりはない。打って守って、そして走る。3年ぶりの優勝を目指すソフトバンクにとっても、周東が1番打者に定着できればチームの野球の質がぐんと高まるに違いない。
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