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吉田正尚はWBCで活躍しすぎた…? レッドソックスの米ベテラン記者が明かすリアルな本音「ボストンの人々は新たなスターを渇望している」 

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杉浦大介

杉浦大介Daisuke Sugiura

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photograph byGetty Images

posted2023/04/03 11:01

吉田正尚はWBCで活躍しすぎた…? レッドソックスの米ベテラン記者が明かすリアルな本音「ボストンの人々は新たなスターを渇望している」<Number Web> photograph by Getty Images

開幕戦で4番を任されるなど、レッドソックスで大きな期待をかけられる吉田正尚。新天地での戦いはまだ始まったばかりだ

 吉田の比較対象として私が思い出すのは、2007年、レッドソックスが5年7000万ドルという当時としては大型の契約で獲得したJD・ドリューだ。吉田とドリューはそっくりな選手というわけではなくとも、獲得された環境やチーム状況は似通っていると思う。ドリューは5年間で打率.264、80本塁打と一定の働きはしたが、その活躍はファンを満足させるほどのものではなかった。

 ボガーツ、(2019年までチームにいた)ムーキー・ベッツのような他のスター選手がまだレッドソックスに属していたら、吉田の適応はより容易だったかもしれない。それが今のレッドソックスでスターと呼べるのはデバースのみ。おかげで吉田はいきなりクリーンアップヒッター(4番打者)を任されることになった。新しい環境でそれほどの重責を負い、すぐに期待通りの結果を出すことは簡単ではない。繰り返しになるが、吉田はレッドソックスの勝利に貢献できる選手だと私も感じているが、焦点は周囲の期待値と成功の度合いになってくるように思う。

 今季のレッドソックスは様々なことがいい方向に進めば、まずまずのシーズンが過ごせるかもしれない。ただ、未知数の部分があまりにも多い。春季キャンプが終わっても、このチームの真価は計りきれなかった。開幕直後のスケジュールは比較的容易だから、プレーオフを目指すのであれば、好スタートが必須になる。

 5月の日程、対戦相手はかなり厳しいから、序盤戦の戦い方が鍵になる。今後しばらく、吉田がレッドソックスにどれだけ貢献できるかを興味深く見守っていきたい。

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