メジャーリーグPRESSBACK NUMBER
吉田正尚はWBCで活躍しすぎた…? レッドソックスの米ベテラン記者が明かすリアルな本音「ボストンの人々は新たなスターを渇望している」
posted2023/04/03 11:01
text by
杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph by
Getty Images
2023年のMLBシーズンが開幕を迎え、ボストンではレッドソックスに新加入した吉田正尚への評価が一気に上がっている。
ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では主に侍ジャパンの4番を打った吉田は打率.409、13打点の大活躍で日本の優勝に貢献。特に日本が劣勢だった準決勝、メキシコ戦の7回、左腕投手の決め球チェンジアップを見事に同点3ランにした驚異的な一振りでその打撃力の確かさを世に知らしめた感がある。
WBCを終え、レッドソックスに戻って以降も、オープン戦の最終戦を本塁打で締めくくった。3月30日、メジャー1年目の日本人野手の開幕戦では史上初となる4番打者として臨んだボルチモア・オリオールズでもいきなり2安打。これだけ上質な打撃を継続すれば、地元の期待感が高まるのは当然だろう。
吉田はこのまま好打を続け、昨季は最下位に終わったレッドソックスに大きな貢献を果たせるのか。順風満帆に見える中で、懸念材料は存在するのか。それらの問いの答えを、ボストンのベテラン記者、ロブ・ブラッドフォード氏に求めた。
ブラッドフォード氏は番記者としてもう20年以上もレッドソックスを取材し、現在はWEEIラジオのレポーターを務める。かつて松坂大輔をめぐる喧騒も体験した大御所の言葉には説得力があり、吉田、レッドソックス、そしてボストンの人々のリアルな今が見えてくる。
◇◇◇
「ヨシダはユニークで興味深い」
吉田はとてもユニークで興味深いプレーヤーだ。WBCでも素晴らしい活躍をし、レッドソックスに戻ってのオープン戦でも最後にホームランを打ってパワーを証明してみせた。日本代表、レッドソックスの両方で周囲の期待通りの力を示している。